2021 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎臓病における エーテル型リン脂質に着目した新規疾病マーカーの開発
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20K11598
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
西向 めぐみ 岩手大学, 農学部, 教授 (40374730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 俊也 帝京大学, 医学部, 教授 (50151882)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エーテル型リン脂質 / 慢性腎臓病 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病のモデルとして、今年度はラットでの腎臓5/6切除モデルを検討した。8週齢のWistar/ST雄ラットをAIN-93Gに準拠した基本食で6日間予備飼育した後、擬似手術を行うSham群と5/6腎摘出術を行うOpe群の2群に分けた。片腎切除の1週間後に残った腎臓の2/3切除を行った。2度目の手術時を0週とし、14週間後に解剖を行い、腹部大静脈血、腎臓を採取した。 5/6腎摘出術により、尿細管管腔および間質の拡張が見られ、腎髄質における膠原線維陽性染色領域が増加した。また腎機能評価の指標となるクレアチニン濃度が手術後4週以降で増加し、腎臓中炎症および線維化関連遺伝子の発現量が増加した。これらのことから、ラットへの5/6腎摘出術により腎線維化を伴った慢性腎臓病誘導が可能であることが示唆された。採取した腎臓、血液の脂質を抽出し、LC-MS/MSを用いてエーテル型リン脂質の分子種の測定を行った。その結果、 アデニンでの検討と同様、血漿中ではコリン型アルキルリン脂質が増加したが、一方で腎臓中ではエーテル型リン脂質動態への影響は見られなかった。 またエーテル型リン脂質生合成系関連遺伝子であるFar1の腎臓中遺伝子発現量が有意に減少した。 昨年度と今年度の結果より、病態モデルの違い、つまり、腎機能低下の機序の違いにより体内エーテル型リン脂質および脂肪酸動態への影響は異なることが示唆された。 腎臓病患者の血漿エーテル型リン脂質プロファイルに関しては、さらに分析数を増やしトータルで約300検体分析済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
病態モデルラットへのエーテル型リン脂質摂取による病態改善効果の検討を行う。
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Causes of Carryover |
(理由) 節約に務め、実験を進めたため。また、コロナ禍において、実験等に制約が生じたため。 (使用計画) さらに実験を進めるために実験用消耗品に使用する。学会での発表および論文投稿を進める。
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