2021 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive study of risk factors and biomarkers that contribute to elucidation of the pathology of renal disorders due to aging and lifestyle
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20K11599
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
越坂 理也 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30466700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 稔 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (60447307)
前澤 善朗 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (80436443)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腎機能障害 / 予測モデル / リスクシミュレーター / 早期生体マーカー / 慢性腎臓病 / リアルワールド / 特定健康診査 / 遅い夕食 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病(CKD)は、予後、QOL、医療費の改善の必要性から、世界的に大きな関心事となっており、早期予防が必要である。加齢や生活習慣に起因する腎機能障害の早期発見のための新たな手段として、腎障害の発症・進展を早期に予測しうる予測モデルとリスクシミュレータの開発を研究の目的の一つとしている。このため、腎機能障害進展予防や心血管イベント発症抑制に早期から有用なリスク因子を同定するため、健常者を含む特定健康診査の過去7年分のデータを用いたリアルワールドにおける総合的な後方視的検討を行い、早期腎機能障害の予測危険因子を同定した。 特定健康診査を受診した1585名の同一受診者を対象とし、主要評価項目として、血清クレアチニン値の倍増、推定糸球体濾過量(eGFR)eGFR 30%以上の低下、ii) 尿中アルブミン 30 mg/g・Cre以上の増加を複合エンドポイントとし、リスク因子の解析を行った。 単変量解析で有意差を認めリスク因子として抽出され項目に関して多変量解析を実施したところ、年齢、男性、遅い夕食(オッズ比[95%信頼区間]:1.40[1.04-1.88]、P=0.027)が腎機能障害の進行と有意に関連していた。 意義として、遅い夕食は、進行前の早期の腎機能障害の予測危険因子である。腎機能障害が明らかになる前からCKDへの進行を予防するために、食事のタイミングに注意を向けることがより効果的であると考えられると考えられた。現在論文投稿中である。この結果をもとに腎障害の発症・進展を早期に予測しうる予測モデルとリスクシミュレータの開発を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腎障害の発症・進展を早期に予測しうる予測モデルを構成する予測因子の抽出が完了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
腎障害発症・進展の早期予測モデルとリスクシミュレータを完成させ、これにより早期に高リスク症例を検出し、臨床検体からDNAを抽出し、DNA脱メチル化異常を利用した腎機能障害の早期生体マーカーを探索する。 より早期から高リスク症例を発見し、危険因子軽減により、腎機能悪化を防ぐため臨床応用を目指す。 危険因子の解析と生体マーカー探索により、エピジェネティクスの観点から、腎機能障害の病態解明する。
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Causes of Carryover |
会議や学会などがコロナの影響でオンライン開催となり、分担研究者が使用しなかったため。今年度の会議や学会の旅費などで使用する予定である。
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