2021 Fiscal Year Research-status Report
Prediction of physical function and metabolic risk by using distribution of trunk skeletal muscle and visceral fat
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20K11602
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 憲子 (石黒憲子) 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (70439280)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 身体組成 / 体幹部骨格筋 / 性差 / メタボリックシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,健常な若年男女各25名(年齢:20~31歳,体格指数:15.9 kg/2~27.6 kg/m2)の0年目測定と,若年男性2名の1年後測定を実施した.取得データは,身長,体重,腹囲,体脂肪率のほか,第3腰椎レベルにおける骨格筋(腹直筋,腹斜筋群,脊柱起立筋群)の厚さ(筋厚)および筋横断面積(量的指標),筋エコー強度(質的指標)や内臓脂肪厚,血液性状,体力指標,身体活動量,血圧脈波伝播速度(動脈硬化度指標),栄養摂取状況などであった.体脂肪率は生体電気インピーダンス法で測定した.筋厚,筋横断面積,筋エコー強度,内臓脂肪厚はBモード超音波法にて測定した. 現在までに分析が終了している0年目測定の主な結果において,男性の方が有意に高値を示したのは,身長,体重,腹囲,筋厚および筋横断面積,内臓脂肪厚,握力,血圧脈波伝播速度,摂取エネルギー,脂質摂取量などであった.一方,体脂肪率,筋エコー強度の平均値,総コレステロール,HDLコレステロール,閉眼片足立ち,長座体前屈などは,女性の方が有意に高値を示した.全ての筋群において,筋厚の絶対値は男性の方が女性よりも有意に高値を示したものの,体重の1/3乗による補正値には,有意な性差は認められなかった. 本研究の対象者には疾患を有する者は含まれていないが,それでも,若年の段階で,代謝疾患に関連する因子(腹囲,内臓脂肪厚,血圧脈波伝播速度など)に有意な性差が認められることが示唆された.今後は,体幹部の組成と他の測定項目との関連についてさらに分析を進めていく.なお,新型コロナウイルスの影響により,高齢者を対象としたデータ収集は,当面,見合わせることとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度(2020年度)における新型コロナウイルスの感染拡大により,データ収集の開始が当初予定よりも9カ月遅れることとなった.この9カ月の遅延が2021年度にも影響している.また,新型コロナウイルスの重症化リスクが高いと言われている高齢者を対象としたデータ収集は,今年度も見送ることとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に収集した0年目データについて,各測定項目同士の関連を検討する.また,若齢男女約50名を対象とした1年後のデータ収集も行い,随時,分析を進めていく.各測定項目における1年間の変化から,体幹部の組成(骨格筋の量や質,皮下脂肪,内臓脂肪など)と代謝疾患リスク(血液性状や動脈硬化度など)や体力・身体活動量・栄養摂取状況等との関連について縦断的な検討を行う. 2022年度も高齢者を対象としたデータ収集は困難である可能性があるため,1年後測定においては,代謝疾患リスクに関連する測定項目の追加や,過体重者を対象とした測定の実施などにより,体幹部の組成と代謝疾患リスクとの関連についての検討をさらに深化させていく予定である.
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Causes of Carryover |
初年度(2020年度)における新型コロナウイルス感染拡大により,研究開始時期が9カ月遅れることとなった.このため,2021年度における研究経費の使用計画にも大幅な変更が生じた.また,当初は高齢者を対象としたデータ取得も予定していたが,一般に高齢者は新型コロナウイルス感染時の重症化リスクが高いことから,この点についても計画変更が必要となった.次年度(2022年度)は,当初予定では2021年度に実施する予定であった1年後のデータ収集のために助成金を使用する.その際,代謝疾患リスクに関する測定項目の追加や,過体重者を対象とした測定の実施などにより,体幹部の組成と代謝疾患リスクとの関連についての検討をさらに深化させていく予定である.
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