2022 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲンによる快楽性糖摂取行動促進作用のメカニズムと恒常性摂食調節との連関
Project/Area Number |
20K11604
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
鷹股 亮 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (00264755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 恵子 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (30220081)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エストロゲン / レプチン / スクロース摂取 / エネルギー摂取 / スクロース嗜好性 / オレキシン |
Outline of Annual Research Achievements |
レプチンはエストロゲン同様に視床下部弓状核に作用し恒常性の摂食抑制作用を示す物質である。そこで、エストロゲンとレプチンが快楽性調節と恒常性調節に及ぼす影響を明らかにし、エストロゲンとレプチンの相互作用を検討することを目的として実験を行った。 7週齢のWistar系雌ラットに卵巣摘出手術を行い、エストロゲン補充(E2)群とエストロゲン欠乏(Veh)群に分けた。卵巣摘出手術の7日後、ラットの皮下にLeptinまたはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を充填した浸透圧ポンプを埋め込み、E2群とVeh群のラットを各2群に分けた。LeptinまたはPBSは14日間持続的に投与された。浸透圧ポンプ埋め込み翌日から標準固形飼料と水に加えて10%スクロース溶液(w/v)を提示し、ラットに自由に摂取させた。13日間のスクロース溶液提示の後、1日間スクロース溶液提示をやめ、その翌日にスクロース溶液を100分間自由摂取させる短期のプリファレンステストを行った後、灌流固定を行い、取り出した脳は免疫組織化学染色を行った。 E2-Leptin群は、Veh-PBS群・Veh-Leptin群よりも平均1日スクロース溶液摂取量が有意に多かった。総摂取エネルギー中のスクロース溶液由来のエネルギーが占める割合は、Veh-PBS群とE2-Leptin群の間で有意差がみられた。短期的プリファレンステスト後の視床下部脳弓周囲・外側野のオレキシンニューロンにおけるc-Fos発現細胞数は、E2-Leptin群で他の群に比べて有意に多かった。 以上より、エストロゲンとレプチンが高嗜好性スクロース溶液の摂取を相乗的に増加させ、そのメカニズムの一つとして、オレキシンニューロン活動の亢進が関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)