2022 Fiscal Year Research-status Report
肥満外科治療による脳内の摂食エネルギー代謝調節因子の解析
| Project/Area Number |
20K11605
|
|---|
| Research Institution | Oita University |
|---|
Principal Investigator |
正木 孝幸 大分大学, 医学部, 准教授 (00423715)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 孔郎 大分大学, 医学部, 講師 (10457624)
加隈 哲也 大分大学, 保健管理センター, 准教授 (80343359)
柴田 洋孝 大分大学, 医学部, 教授 (20245484)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
| Keywords | 肥満症 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
高度肥満症や肥満を伴う糖尿病への治療の選択の一つとして世界的に外科的治療が施行されている。我が国においても肥満症の外科的治療の中でスリーブ状胃切除術は保険収載されており、減量効果と併せて糖尿病の改善効果も期待されている。一方でスリーブ状胃切除術の体重減量効果や糖尿病改善のメカニズムについては未だ不明点も多く、今回の研究ではスリーブ状胃切除術の病態の解明として、その減量や糖尿病の改善効果がどのような機序で起こるのか特に脳内において、どのような摂食量やエネルギー消費に関連する因子が変化しているのかスリーブ状胃切除術モデルを用いて解析を進めている。肥満遺伝子産物は生体のエネルギー代謝調節に関与するが、その過程で神経ヒスタミン等がそれらの因子の下流で作用する因子であることを我々は報告してきた。肥満外科治療による減量や糖代謝が改善するのかのメカニズムについてはインクレチンや各種脂肪酸など消化器因子を介した報告は幾つかあるが、血中の糖脂質の経時的な代謝変化や消化器因子以外の解明について不明な点が多い。本年度は昨年度に確立したスリーブ状胃切除術モデルを用いて、血中の糖脂質代謝パラメータの解析を進めた。コントロール群としてはSham手術＋自由摂食群(S群)、スリーブ状胃切除術＋自由摂食群(L群)、ペアフィード摂食群:スリーブ状胃切除術と同量を摂食した制限給餌群(P群)の各群を用いて経時的に検討をすすめている。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までの進捗状況としては、本年度はスリーブ状胃切除術モデルを用いて血液のデータ解析を進めた。今年度は上述のS群、L群、P群の３群に分けて比較検討した。今回の作成モデルでは他報告にあるスリーブ状胃切除モデルの作成方法に準じたモデルで摂食量低下と減量効果の所見を得ている。S群とL、P群の間で糖代謝の因子としての空腹時の血糖値と脂質代謝マーカーとしての中性脂肪値の低下を認めた。また血中糖代謝のマーカーとしてのインスリン値についてはS群とL群、L群とP群の間で空腹時インスリン濃度の低下を認めた。今回の解析で肥満症モデルの特に糖脂質代謝のマーカーの解析ができた。一方で肥満症モデルの脳内の因子の解析については物品搬入状況や測定系が上手に解析できずやや遅れている。
|
| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として各肥満糖尿病モデルにおける肥満度との関連など併せて各群の脳内の代謝性因子の解析を行い学会や研究会発表へと進めていく。
|
| Causes of Carryover |
各種肥満症モデルにおける更なる関連因子の解析が物品搬入状況や測定が上手にできず次年度の使用額が発生している。今後の使用計画としては各群の臓器内の代謝性因子に関連する検査キットや解析用物品購入や関連学会の発表や研究情報収集のための旅費や論文発表の別刷り代などに使用予定である。
|
-
-
-
-
[Journal Article] Adrenal Vein Sampling With Gadolinium Contrast Medium in a Patient With Florid Primary Aldosteronism and Iodine Allergy.2022
Author(s)
Yoshida Y, Nagai S, Shibuta K, Miyamoto S, Maruno M, Takaji R, Hata S, Nishida H, Miyamoto S, Ozeki Y, Okamoto M, Gotoh K, Masaki T, Shin T, Mimata H, Daa T, Asayama Y, Shibata H.
-
Journal Title
J Endocr Soc.
Volume: 27
Pages: bvac007
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
[Journal Article] Comprehensive lipidomics of lupus-prone mice using LC-MS/MS identifies the reduction of palmitoylethanolamide that suppresses TLR9-mediated inflammation.2022
Author(s)
Ozaki T, Kamiyama N, Saechue B, Soga Y, Gotoh R, Nakayama T, Fukuda C, Dewayani A, Chalalai T, Ariki S, Ozaka S, Sonoda A, Hirose H, Gendo Y, Noguchi K, Sachi N, Hidano S, Maeshima K, Gotoh K, Masaki T, Ishii K, Osada Y, Shibata H, Kobayashi T
-
Journal Title
Genes Cells.
Volume: 27
Pages: 493-504
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
