2022 Fiscal Year Research-status Report
疾患エクソソームを新規バイオマーカーとして心疾患の予防・先制医療に挑む
Project/Area Number |
20K11611
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
中村 彰男 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (30282388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 博子 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40359899)
河原田 律子 (那須律子) 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 講師 (60383147)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エクソソーム / 心疾患 / 血管平滑筋 / ニコチン / マイクロRNA / 収縮 / 増殖 / 分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人の死因の第2位は虚血性心疾患であるが、WHOの発表では世界での死因の第一位は虚血性心疾患である。虚血性心疾患は総死亡者数の16%を占めており、この20年で200万人以上増加している。その原因は脂質代謝や糖代謝異常が背景にあり、とりわけ、アテローム性動脈硬化性疾患は生活習慣病の中でも増加の一途をたどっている。これまでに研究代表者は、虚血性心疾患の主因であるアテローム性動脈硬化が、タバコに含まれるニコチンによる血管平滑筋細胞を収縮型から遊走・増殖型へ形質転換により誘発される分子機構を明らかにしてきた。本研究では、血管平滑筋細胞の形質転換をニコチンで誘発させる細胞モデルを用いて、疾患エクソソームがアテローム性動脈硬化を増悪する可能性を解明するとともに、予防バイオマーカーやアテローム形成の抑制が期待されている機能性食品成分の探索に応用することで、先制医療に向けたトランスレーショナルリサーチを目指す。本研究では正常人より単離されたヒト大動脈血管平滑筋細胞を海外より購入し、研究を行ってきたが、正常細胞は継代を繰り返す度に細胞形態やその性質が変わることが危惧される。また、現在使用している正常ヒト大動脈血管平滑筋細胞は8継代を超えると細胞の増殖や分化能が著しく低下することが明らかとなり、2022年度はヒト大動脈由来の血管平滑筋細胞にヒトテロメアーゼ遺伝子をレンチウイルスを用いて導入することで不死化細胞株の樹立に挑戦し、不死化細胞を得ることに成功した。さらに、ヒト心筋細胞や冠動脈由来の血管平滑筋細胞の不死化を行いヒト心筋細胞の不死化には成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
若干、当初の研究からは遅れている。その理由としては研究実績の概要に書いたように、使用していた正常ヒト大動脈血管平滑筋細胞に継代による老化が見られ、この問題を解決するために遠回りではあるが、ヒト大動脈由来の血管平滑筋細胞の不死化細胞株化を行ったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト大動脈由来の血管平滑筋細胞の不死化細胞株化に続き、ヒト心筋細胞やヒト冠動脈由来血管平滑筋の不死化細胞株化も行うことで、血管平滑筋細胞と心筋細胞の疾患クロストークによりエクソソームがどのように変化するかに関しても研究を進める。
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Causes of Carryover |
ヒト血管平滑筋の不死化細胞を作製したため、当初の研究計画に変更が生じた。そのため、実施できなかった研究を次年度に遂行するため。
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[Presentation] Effects of extracellular and intracellular advanced glycation end products in an intrauterine hyperglycemic environment on fetal skeletal muscle2022
Author(s)
Yoshizaki, H., Kawaharada, R., Okami, H., Toriumi, A., Tsutsumi, S., Nakamura, A.
Organizer
22nd IUNS-ICN International Congress of Nutrition in Tokyo
Int'l Joint Research
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