2023 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子MXL-3による酸化ストレス応答と栄養シグナルの統合機構の解明
Project/Area Number |
20K11630
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
安田 佳代 東海大学, 健康学部, 講師 (90822734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮沢 正樹 東海大学, 健康学部, 准教授 (10554818)
石井 恭正 東海大学, 医学部, 准教授 (20548680)
石井 直明 東海大学, 健康学部, 教授 (60096196) [Withdrawn]
簗瀬 澄乃 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90249061)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 酸化ストレス応答 / 栄養シグナル / エネルギー代謝 / C. elegans |
Outline of Annual Research Achievements |
モデル生物であるC. elegansにおいて、転写因子MXL-3は栄養状態によって脂肪代謝に関わっていることが報告されている。一方で、我々は酸化ストレス負荷によってmxl-3の発現が上昇し、抗酸化作用や脂肪酸合成・分解の均衡に関っていることを見出している。そこで、本研究ではMXL-3転写因子を介した酸化ストレス応答と栄養シグナル応答との関わりを調べることを目的としている。 昨年度の研究成果によりMXL-3の亢進がストレス種に依存性があるかどうかを検討において、酸化ストレスおよび高グルコース負荷の両者ともmxl-3発現量が上昇することが確認された。本年度はmxl-3の発現量の上昇が、グルコース負荷により活性酸素が過剰に産生され、酸化ストレスが上昇したことに起因しているのか検討を行った。MXL-3は酸化ストレス応答に関与している転写因子SKN-1の相互作用が示唆されていることから、グルコース負荷時のskn-1およびその下流のgst-4の発現量の解析を行った。その結果、グルコース負荷によってgst-4の発現量が上がることから、グルコース負荷で酸化ストレスが上昇していることが示唆された。しかしながら、通常状態においてmxl-3変異体はgst-4の発現量が低く、酸化ストレスもしくはグルコースの取り込み量が低い可能性が考えられたことから、グルコーストランスポーターに関与しているfdgt-1の発現量を検討した。その結果mxl-3変異体で低値であったため、mxl-3変異体ではグルコースの取り込み量が低い可能性が示唆され、さらなる解析が必要である。栄養シグナルの主経路であるインスリンシグナルとmxl-3の関連性においては、現在インスリンシグナルのdaf-16との二重変異体のストレス負荷による寿命解析を行うとともに、上流のdaf-2との二重変異体を作出している。
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