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2021 Fiscal Year Research-status Report

最短ベクトル問題における新しいsieving計算の手法の開発

Research Project

Project/Area Number 20K11669
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

柏原 賢二  東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (70282514)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords格子の最短ベクトル問題 / 基底簡約問題 / 確率分布 / 効率的なアルゴリズム
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、格子の最短ベクトル問題の効率的なアルゴリズムについて研究するものである。これは線形空間に与えられた基底に対して、基底で作られる格子上でもっとも短いベクトルを探すという問題である。この問題の困難さは公開鍵暗号システムのひとつである格子暗号システムの安全性の根拠になっている。他の多くの研究と同様に、基底を簡約しつつ、短い格子ベクトルを探すというアプローチをとっている。われわれは厳密に最も短いベクトルを探すのではなく、近似的にある基準以下の長さを求めるような問題を考えている。
短い格子ベクトルは、探すためには、基底ベクトルの整数結合をたくさん作ることによって行われる。固定された基底をもとに作られた短い格子ベクトルが確率的に分布することは知られているが、それは格子ベクトルが連続的に分布していると近似できる場合であった。
実際には格子ベクトルは離散的であり、基底簡約の際に同じベクトルが複数回得られることがあり、それがアルゴリズムの効率を落とす原因になりうる。本研究では基底簡約のプログラムに短いベクトルを記録する仕組みを組み入れることにより、得られた格子ベクトルが重複する条件を探った。それにより、どのようにすれば重複が少なくできるかの知見を得ることができた。
同時に格子の最短ベクトル問題のチャレンジサイトであるSVP Challengeの156次元の問題に関して、並列スーパーコンピュータを用いて、条件を満たすような格子ベクトルを見つけることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究に必要な基底簡約のプログラムは作成し、実験するための各種のログを取る機能を実装した。そして、各種のログを可視化するようなツールも開発した。
並列計算スーパーコンピュータの上でも動かすことができるようなプログラムを作ることができた。
成果自体はまだ公表に至っていないが、研究成果をまとめた論文を作成した。

Strategy for Future Research Activity

2022年度は、作成した基底簡約プログラムをもとにさらに研究を進める。基底から短いベクトル作る際にsievingという手法を用いているが、効率的なsievingを行うためには高次元のsievingを行う必要があり、巨大なメモリが必要である。
われわれの利用している計算機環境は、そこまで巨大なメモリを有していないので、その部分が他のグループと性能を競っていく際のボトルネックになっている。われわれは、それほどメモリがなくても効率的なsievingができるような手法の開発を目指している。

Causes of Carryover

2021年度はスーパーコンピュータのプログラムが作成途中だったので、まだ本格的に稼働していなかったため。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 大規模並列計算による格子の最短ベクトル問題の効率化について2021

    • Author(s)
      柏原賢二
    • Organizer
      日本応用数理学会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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