2020 Fiscal Year Research-status Report
大規模配位空間の最適化理論:離散構造論の視点を中心にして
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20K11670
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
岡本 吉央 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (00402660)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アルゴリズム理論 / 最適化理論 / 計算理論 / 離散数学 |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模配位空間における最適化問題の研究として,2020年度は以下の研究を行った. (1) 政治学に現れるゲリマンダリング問題を大規模配位空間における最適化問題としてモデル化し,その計算複雑性を解明した.研究成果をTheoretical Computer Science誌上で発表した. (2) 社会選択理論に現れる無羨望配分問題を大規模配位空間における最短路問題としてモデル化し,その計算複雑性を解明し,特別な場合の多項式時間アルゴリズムを開発した.研究成果は論文として投稿中である. (3) ロバスト性を満たすネットワークの設計問題を大規模配位空間におけるクラスタリング問題としてモデル化し,その計算複雑性を解明し,また,シナリオ数に対する固定パラメータ・アルゴリズムを開発した.アルゴリズム開発には多面体的組合せ論の知見を用いている.研究成果は論文として投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記した「大規模配位空間上での最短路問題」と「大規模配位空間上でのクラスタリング問題」に対して,研究成果を得ることができ,論文を投稿中である.また,扱っている問題も政治学,経済学など多様に渡り,応用可能性の高さを示すことができている.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,研究は順調に進んでいるものの,コロナ禍のために出張等が制限されている状況である.出張等に対する制限が緩和されれば,研究がより進展すると推測されるため,その点が残念である. 今後は,研究計画に記した「理論物理学」への応用を目指した研究も進めていく.
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Causes of Carryover |
コロナ禍において,出張等が制限されたため,計画どおりの出張等が不可能となっていた.コロナ禍が解消し,出張等の制限が緩和されれば,計画どおりの支出が可能となる.
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Research Products
(6 results)