2022 Fiscal Year Annual Research Report
Discovery of new graph invariants to capture the cycle ctructure
Project/Area Number |
20K11684
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
斎藤 明 日本大学, 文理学部, 教授 (90186924)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | グラフ / ハミルトンサイクル / パス / サイクル / 次数 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフGの最長パスと最長サイクルの位数の差をr(G)と表し、Gのrelative lengthとよぶ。連結グラフGがハミルトンサイクルをもつこととr(G)=0は同値であり、r(G)の値が小さいほど、Gはハミルトングラフに近い性質を示す。すなわちr(G)はGがどれだけハミルトングラフに近いかを示す尺度となる。本研究はこのr(G)では捉えられないサイクル分布の性質を調べるため、新たな不変量を導入することを目指した。 上記の目的のために、まずr(G)の性質を見直した。その結果Gに長さ3のサイクル(三角形)があると、r(G)が良い振る舞いを示さないことが分かってきた。そこで三角形を含まないグラフGにおいてr(G)の上界を調べた。グラフGにおける位数kの独立点集合の次数の和の最小値をσ(G, k)と表す。Paulsumaと善本は2008年に、σ(G, 4)≧n+2を満たす位数nの三角形フリーな2-連結グラフGはr(G)≦1を満たすことを示した。前年度本研究代表者は彼らの定理の仮定を1つ弱め、σ(G, 4)≧n+1を満たす位数nの三角形フリーな2-連結グラフGはr(G)≦2を満たすことを証明した。本年度は次数和の条件をさらに弱めた状況を調べ、(1/3)(n+2)≦k≦n+2の範囲では、σ(G, 4)≧kを満たす位数nの三角形フリーな2-連結グラフGはr(G)≦n-k+3を満たすことを証明した。すなわち次数和の増加に伴い、r(G)の上界が線形関係を保ちながら減少する様子を観測した。これは三角形を含む一般のグラフでは見られなかった現象である。またこの結果を用いて、グラフに含まれる三角形の個数を考慮してr(G)を拡張する不変量の発見した。以上のように本研究は当初の目的を達成する成果を上げることができた。
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Research Products
(6 results)