2023 Fiscal Year Research-status Report
未観測共通原因が存在する場合の巡回因果モデル推定法の研究と応用
Project/Area Number |
20K11708
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
清水 昌平 滋賀大学, データサイエンス学系, 教授 (10509871)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 因果探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
因果探索法の応用として、反事実確率の推定をする際に因果探索を用いて因果グラフを推定するところから始め、反転確率を求め、金融機関のデータを分析した。説明可能な人工知能(XAI)は、機械学習アルゴリズムの内部メカニズムを明らかにするのに役立ち、その予測の根拠を示すことで信頼性を強化する。いくつかのXAIモデルは、予測モデルの入出力関係や特徴間の依存関係を調べることでモデルを説明するために因果関係を考慮する。これらのモデルの大部分は、因果グラフが既知であるという仮定に基づいて説明を行っている。しかし、この仮定は、実際の多くの場合で特徴間の因果関係が不明であるため、実データへの適用を難しくしている。そこで、因果グラフが既知であるという制約を緩和するために因果探索を用いた。
また、日本とアメリカ(US)の金融市場間の関係を探るために、異なる金融政策の方向性の下でVAR-LiNGAMやLPCMCIといった因果探索法を用いた。VAR-LiNGAMの結果は、前日のUS市場が翌日の日本の市場に影響を与え、株式と債券の市場でその傾向が見られるほか、前日の債券市場が翌日の外国為替(FX)市場に直接、また翌日の日本の株式市場に間接的に影響を及ぼすことが示唆された。LPCMCIの結果は潜在的な交絡変数の存在を示唆した。
方法論については、既存の連続最適化に基づく構造学習アルゴリズムとともに使用可能な変数グループ用の制約を提案し、変数グループ間の因果構造を学習できるようにした。また、location-scale noiseを伴う非線形時系列データ用の構造学習アルゴリズムを合わせて提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
未観測共通原因のある場合の推定法やその応用については順調に進んでいる。巡回モデルの推定法や応用についても準備を進めているが、出版などには至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
巡回モデルの方法と応用に注力する。
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Causes of Carryover |
学会への参加予定などが次年度に伸びたため
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