2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of statistical analysis methods for visualizing nonlinear activity of large-scale neural populations
Project/Area Number |
20K11709
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
島崎 秀昭 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (50587409)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 状態空間モデル / イジングモデル / 神経スパイクデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年度は,昨年度までに構築したキネティック・イジングモデルを用いた状態空間モデルに基づき,非定常および非平衡な神経スパイク時系列のエントロピー生成を時事刻々推定するための基本アルゴリズムの開発と実装を行い,国内会議にて紀要論文を発表した.また,動的キネティック・イジングモデルに関する秩序・無秩序相転移やパターン生成などの基礎的特徴についての理論研究を出版した.この他に,バイナリパターンを用いた自然画像のスパース符号化に関する研究を進めた.
研究期間全体を通じて,大規模・非線形な神経細胞集団活動を可視化するための統計解析の基盤技術として非平衡キネティック・イジングモデルを採用し,状態空間モデルへの拡張を行ってきた.これにより,実験で得られるスパイク時系列データから,変動する非対称結合を時事刻々推定することが可能になっただけでなく,推定された非対称結合に基づき,時間変動するエントロピー生成を推定する技術も開発した.一方,非平衡キネティック・イジングモデルに関する理論的解析も進め,これまでに提案された各種平均場近似理論を統一する理論を完成させた.さらに理論に基づき新たな平均場近似手法を提案し,より高精度に大規模データを解析することが可能になった.その他,視覚野神経細胞の神経活動データに対する状態空間ーイジングモデルの適用,および神経スパイク活動に基づく自然画像生成モデルの構築に取り組み,実データに対して生成モデルに基づく解釈を行うための基礎研究が進展した.
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