2023 Fiscal Year Research-status Report
多様な状況における統計的仮説検定方式の開発とその応用
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20K11714
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
西山 貴弘 専修大学, 経営学部, 教授 (30516472)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 仮説検定 / 漸近理論 / 高次元データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,様々な状況の下で統計的仮説検定問題についての理論と方法論の開発を行うことを目的とし,その有用性・実用性について研究を行った.近年の情報化の進展に伴い,多種多様なデータに対する統計解析手法の開発は重要であり,この問題に関連して本年度は,特に高次元データに対する平均ベクトル間の一般化線形仮説検定について議論を行った.一般化線形仮説検定は,2標本問題や多変量分散分析(MANOVA)などを含む重要な仮説検定問題であるが,高次元データに対する一般化線形仮説検定に対する検定手法はあまり研究されておらず,さらにそれらの結果のほとんどは,母集団の共分散構造にある種の条件が成り立つ下での方法論となっている.しかし,高次元データの共分散構造の特徴の一つとして,数個の固有値が非常に大きいようなスパイク構造を持つことが多く,このような共分散構造に対しては,この条件は成り立たないことが知られている.そのため,この条件が成り立たないような場合における検定方式の提案を行った.具体的には,データ生成モデルとしてFactor modelを仮定し,このモデルの下で,共分散構造が異なる場合の複数母集団の平均ベクトル間の一般化線形仮説検定に対する検定統計量を提案した.そして,この検定統計量の近似帰無分布の導出を行い,検定方式を構築した.また,数値実験によって近似精度,および検出力の評価を行い,提案手法の有用性を確認することができた.これらの結果については,2023年8月に開催された国際会議や2023年12月に開催された国際シンポジウムにおいて報告を行っている.また,研究成果をまとめ,近日中に国際学術雑誌に投稿する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書に記載した,高次元枠組みにおける平均ベクトルに関する検定問題についてはある程度計画通り進み,順調に研究成果を得ることができ,次年度以降も引き続き研究を行っていく.しかし、欠測が生じている分割表に対する仮説検定問題,およびノンパラメトリックな場合における平均ベクトル間の多変量多重比較法についてはまだ研究途中であり,来年度以降の研究課題である.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,高次元枠組みにおける,母集団の共分散構造に対する新たな仮説検定方式の提案について取り組んでいく.さらに並行して,欠測が生じている分割表に対する仮説検定問題,およびノンパラメトリックな場合における平均ベクトル間の多変量多重比較法の開発に取り組み,得られた結果についての研究成果をまとめるとともに,学術雑誌に投稿する. 次年度の予定としては,国内の学会や国際会議において研究成果の発表を予定している.この他にも関連する国内会議や国際会議にも参加し,最新の研究成果や研究動向について調査し,多くの研究者と積極的に情報交換を行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
今年度は,前年度からの繰越金と合わせて直接経費約130万円のところ、約45万円の支出となり,次年度繰越金は約85万円となった.これは世界的な新型コロナウイルス感染症の影響で,学会出張旅費として計上していた予算を使用できなかったことが前年度までに続いたためである. 次年度の研究費の使用内訳としては,物品費(消耗品費)を計上し,また,研究成果の発表や情報収集のために,国内の学会(応用統計学会(5月),統計関連学会連合大会(9月),日本計算機統計学会(11月))や国際会議(12月)などに参加するための参加費や旅費を計上する予定である.さらに,研究課題におけるシミュレーションなどを円滑に実行するために,数式処理ソフトの購入費を計上する予定である.
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