2020 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を用いた極域における熱輸送メカニズムの解明
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20K11718
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
伊藤 香寿恵 (鈴木香寿恵) 法政大学, 理工学部, 助手 (20455190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 恭 国立極地研究所, その他部局等, 名誉教授 (00141995)
徳永 旭将 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (50614806)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 機械学習 / 衛星観測 / 時系列解析 / 熱収支 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,降雪時の衛星観測雲画像について深層学習による自動識別を行い,現地観測データに基づく時系列モデリングと組み合わせて降雪量の推定を行うことを目的としており,当該年度においては,昭和基地だけではなく,北極域においても降雪時の雲について衛星観測データを用いた学習器を生成することであった。 まず昭和基地について新しい構造を取り入れたCNNによる学習を行い,約7割の精度をもつ昭和基地への降雪をもらたす雲の自動検出器を作成した。特に,Atmospheric RIverと呼ばれる特徴的な水蒸気輸送・降水現象をもたらすイベントに着目したことが気象学的な観点としても新しく,機械学習ではブラックボックス問題と呼ばれている学習器が判断をどのようにして行っているか不明である点についても構造や問題自体を複雑・単純化した場合について比較し,学習器が着目しているものを可視化することで新しい知見を得ることとなった。正例に情報を追加し,正例と準正例を作成してタグ付けを行ったが,既知である分類精度の向上も確認された。 その研究成果についてはオンライン開催となった人工知能学会全国大会(JSAI)2020国際セッションにおいて論文発表および口頭発表,AGU fall meetingにてポスター発表を行った。JSAI2020では,top21 papersとして選出され,Post Proceedingsへの招待投稿を行った。 北極域における雲画像については,まず使用予定であるデータNOAA/AVHRRデータを用いてイベント解析を行い,タグ付け作業を進めている。 本研究の最終目的である両極域への熱輸送におけるメカニズムの違いを解明するために,熱輸送のメカニズムに関して近年における研究発表の調査を行った(Yamanouchi 2021)。 南北における輸送の違いには海洋における子午面逆転循環が大きな役割を果たしていることを示し,本研究の背景として重要な知見であることと認識している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ渦の影響が多大であり,謝金アルバイトの雇用が難しい上に,家庭内保育やオンライン講義・その準備等による時間の制約が大きい1年だった。参加予定であった国際会議等はすべてオンライン開催となったため,研究成果の発表もどのくらいのインパクトが得られたのか判断が難しいところではあるが,JSAI2020ではtop21 papersとして選出されPost Proceedingsへの招待投稿を行い,研究の基礎固めは進んだと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は雇用できなかった謝金アルバイトによるデータ処理を促進し,学習器の生成を迅速に進めていきたい。
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Causes of Carryover |
予定していた謝金アルバイト雇用について,コロナ渦のために実施が難しく次年度に作業を順延させたため,謝金分を繰り越した。
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Research Products
(7 results)
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[Book] Advances in Artificial Intelligence, Selected Papers from the Annual Conference of Japanese Society of Artificial Intelligence (JSAI 2020), L11: Identifying the Snowfall Cloud at Syowa Station, Antarctica via a Convolutional Neural Network2021
Author(s)
Yada, K., Katagami, D., Takama, Y., Ito, T., Abe, A., Sato-Shimokawara, E., Mori, J., Matsumura, N., Kashima, H. (Editors), Kazue SUZUKI, Masaki SHIMOMURA, Kazuyuki NAKAMURA, Naohiko HIRASAWA, Hironori YABUKI, Takashi YAMANOUCHI, Terumasa TOKUNAGA (Coauthors)
Total Pages
390
Publisher
Springer International Publishing
ISBN
978-3-030-73113-7