2021 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を用いた極域における熱輸送メカニズムの解明
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20K11718
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
伊藤 香寿恵 (鈴木香寿恵) 法政大学, 理工学部, 助手 (20455190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 恭 国立極地研究所, その他部局等, 名誉教授 (00141995)
徳永 旭将 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (50614806)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Atmospheric River / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで降雪をもたらす雲に着目して,水蒸気が局所に集中的に供給されるAtmospheric River (AR)を正例とした雲の自動検出を試みてきたが,昭和基地で観測された複数の大気中微量物質データを用いてARイベントの関連性について調べた.特に一酸化炭素は季節変動が大きく,イベント抽出を行うために自己回帰モデルによる濃度予測の推定などを行った.概ねブラックカーボンと同じようなピークが見られるイベントと,一酸化炭素のみのピークがあるイベントなどの抽出を行い,前者はARとの関連が高いことが示唆された.結果は成果報告にある気象学会2021年度秋季大会の口頭発表にて示した. また,衛星観測雲画像データを用いて降雪をもたらす雲の自動識別を進めるための下準備となる研究も行った. 機械学習においては,学習対象となる画像数が大きいほどよいとされていて, 対象とするには正例タグもしくは負例タグを生成する必要がある. しかしながら本研究課題において, タグ付けにかかるエフォートが大きく,学習対象画像数がなかなか伸び悩んでいる. この問題を解決するために,半自動学習によってセグメンテーションを生成する手法の開発を進めてきた.アノテーションと呼ばれる,雲と判別できるエリアを画像に付与し,そのエリアを教師として学習するのが通常の機械学習であるが,このアノテーションを用いて新しい画像に対するセグメンテーションを生成する学習器を開発した.F値(Dice)としては0.8程度で生成が出来ており, 今後十分に実用化が期待されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
北極域における衛星観測データの収集と画像変換作業を進めていたが,作業を行う計算機のスペースに余裕がなくNASの設置を行ったが,そのNASの動作不良のため全ての作業が滞った.NASのリプレイス作業を2022年2月~3月に実施し作業再開の準備を整えたところである.セグメンテーションを自動生成する手法については着々と進めており,衛星観測データに対してイメージング手法を適用する新たな切り口として成果報告を行う見込みである.
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Strategy for Future Research Activity |
北極域のデータ収集を迅速に進め,学習器の生成を重視して進めていく.対面授業が再開されたことで,謝金アルバイト雇用を円滑に進められる可能性が高く,両極における降雪をもたらす背景となる雲や大気循環場の特徴やその違いについて解析を進めたい.
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Causes of Carryover |
コロナ禍による謝金アルバイト雇用や国際会議による旅費について余剰が発生してしまったが,次年度においては状況により謝金アルバイトの雇用をはじめとする人件費や,成果報告に必要な論文出版費に使用を予定している.
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Research Products
(5 results)