2020 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental research for analysis of mesh location data
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20K11720
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
宿久 洋 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (50244223)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 位置情報データ / 時空間データ解析 / オンライン学習 / メッシュ統計学 / 人流データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,GPSを用いて取得された大規模なメッシュ型位置情報データの分析手法に関する研究に取り組んでいる.特に,メッシュ型で離散時間に観測された大規模な人流データを用いた各メッシュの状況把握及び,予測をするためのデータ解析法の開発を行っている.本研究で対象としている位置情報データに対して,古典的な多変量解析法を用いてそのまま分析することは,対象とするデータの特性やその量が問題となり困難であることが多い.そのため,データの特性を踏まえたデータ解析法が必要になる. 現在,メッシュの持つ属性情報を用いない状況においてのメッシュ異常検知を行っている.このメッシュ型位置情報データは逐次的にデータが得られているというデータ取得の背景から,我々はオンライン学習の考え方を用いてメッシュが「平常」な状態との違いを明らかにすることに取り組んでいる. 本年度,本研究課題の成果としては次のとおりである.まず,関連する基礎的な研究の成果として,メッシュ状態の判別に関する研究,時系列情報が含まれたメッシュ分類に関する研究を行った.次に,本研究の課題と直せる関連する代表的な応用例として,付帯する属性情報が与えられていないメッシュに対する異常検知をするためのデータ解析法の開発を行った.そして,このデータ解析法を2018年に発生した2つの災害に着目して,災害時の異常検知を行い,人流の増加・減少の観点から,現実の状態を反映した結果を得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では,本年度はメッシュの持つ属性情報を用いたデータ解析手法の開発を行う予定であった.しかし,メッシュ型人流データ取得の背景から,課題として優先順位が高いと思われる,属性情報を用いない異常検知手法の開発を先行して行った.そのため,当初計画していた解析手法の開発が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究を通して,メッシュデータに対して施設情報などの属性情報が与えられていることを仮定できる状況は限られていることから,研究の方針を転換し,このような情報がない下での研究を中心に進めていきたいと考えている.本研究の対象とするデータにでは,近隣のメッシュとの関係性を考慮した場合,メッシュ地点数が特徴量より圧倒的に少ないという特徴を持つ高次元のデータが得られる場合がある.このようなデータに対して,実情を把握するためのモデルとして,類似のメッシュを分類するための分析手法の開発に取り組む予定である.また一方で,各メッシュについて時系列構造についても考えられることから,各メッシュの予測を行うためにクリギング法の拡張というアプローチでも本研究課題に取り組んでいく予定である. また,2020年度の成果として得られた知見を踏まえて,より長い期間,広い地域での検証を進める予定である.また,2020年以降に得られたデータついては,COVID19の流行により他の「平常」とされた年と大きく異なっていることがされるため,現実に即した「平常」がどのようなものであるのかについて留意した上で解析手法の開発に取り組む予定である.
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Causes of Carryover |
COVID19の影響で参加予定であった国際会議が延期となったことから,国際会議での発表を見送った.また,国内学会発表の旅費として使用する予定であったが,オンライン開催のため,残が発生した.次年度使用額と当該年度以降額として請求する助成金については,延期された国際会議への参加および国内会議への参加の費用として利用する予定である.
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