2021 Fiscal Year Research-status Report
健康医療データと全ゲノム情報間の相互作用を考慮したリスク予測モデリング
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20K11723
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
植木 優夫 長崎大学, 情報データ科学部, 教授 (10515860)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リスク予測モデリング / 遺伝的予測 / 遺伝子×環境相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、個人の全ゲノム情報およびその他の因子(性別、年齢、環境要因など)から、疾患発症等のリスクを統計的に予測する問題に取り組んでいる。個人の背景因子に応じた将来の疾患リスクを高精度に見積もれるようになれば、精密医療の実現に向けた大きな一歩となる。特に、サンプルサイズが十分でない状況において、多数の要因を含む高次元データに対する予測モデリング手法は未だ発展途上にある。対象とする問題に依っては、十分な予測性能が得られないこともしばしばである。現状では、統計学的な方法論が整備されていないため、統計学的な面から統計モデリングを研究し発展させることで、予測モデルのリスク予測精度を向上できる可能性が十分に考えられる。令和3年度の研究において、研究代表者は、これまでに開発したスパースモデリング手法STMGP(smooth-threshold multivariate genetic prediction)を発展させて、全ゲノムデータと性別や年齢等の背景因子、さらにはそれらの相互作用(遺伝子×環境相互作用)をモデルに組み込んだリスク予測モデリング手法を開発した。数値実験および実際のアルツハイマー病データに対して精度評価を行い、開発した手法の評価と検証を行った。並行して、高次元回帰手法を仮説検定に利用するための統計的手法を新たに開発し、LassoやElastic Netなどの罰則付き回帰モデルを用いて遺伝的要因の探索に用いる統計的方法論を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子×環境相互作用を考慮した遺伝的リスク予測モデリングに関する論文を学術雑誌に出版した。
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Strategy for Future Research Activity |
疾患発症リスク予測モデルのさらなる性能向上を目指して手法開発・改善を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行の影響により、旅費等での使用が困難となったため、次年度使用額が生じた。次年度は、データ解析のための計算機購入を計画している。
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Research Products
(4 results)