2022 Fiscal Year Annual Research Report
幅広い次元のトーラスにおいて高性能を発揮する確率的耐リンク故障経路選択手法の探求
Project/Area Number |
20K11729
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
金子 敬一 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20194904)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 高信頼システム / ディペンダブルコンピューティング / 耐故障経路選択 / トーラス / メッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
トーラスにおいて,あるノードが隣接ノードからメッセージを受け取ることを前提として,目的ノードまでの到達確率の推定を計算し,これを隣接ノードに通知することで,従来手法の欠点である袋小路への侵入を回避する手法を開発した.また,トーラスに関する基礎研究を行った結果,いくつかの研究成果を得た.具体的には,まず,k進n次元トーラスにおいて,隣接する2つの故障ノードからなるf個のクラスタ故障に対して,O(n^2k^2f)時間で,長さ高々n(2k+floor(k/2)-2)の非故障経路を構成可能な耐クラスタ故障経路選択アルゴリズムを開発した.また,k進n次元トーラスにおいて,c個のノード対間にO(c^3+kcn)時間で,長さ高々floor(k/2)n+(ceiling(3k/2)-2)(c-1)の素な経路を選択するアルゴリズムを開発した.さらに,k進2次元トーラスおよびk進3次元トーラスを平面に記述した際のエッジの交差数の上界が,それぞれk(k-2)および2k^4-k^3-4k^2-2ceiling(k/2)floor(k/2)(k-(k mod 2))であることを示した.以上に加えて,トーラスの特殊なケースであるハイパーキューブの派生形の位相に対して,研究成果を挙げた.具体的には,n次元バイキューブにおいてO(n^2)時間で最短経路を選択するアルゴリズム,n次元畳込みハイパキューブにおいて,O(n^3log n)時間でノード集合間の素な経路を選択するアルゴリズム,n次元双射結合グラフにおいてp個のノードからなるノード集合間に,O(n^3p^4)で,長さ高々n+p-1の素な経路を選択するアルゴリズム,およびn次元メビウスキューブにおいてノード集合間にO(n^6)時間で長さ高々2n-2の素な経路を選択するアルゴリズムを開発した.
|