2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Configuration of Autonomous Cooperative Edge AI Systems
Project/Area Number |
20K11734
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
布目 淳 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 准教授 (60335320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 博章 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 教授 (90273549)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エッジコンピューティング / 分散協調処理 / 高性能計算 / 計算機システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はエッジAI処理の新しい分散協調アーキテクチャを提案し、学習推論処理の飛躍的な性能向上を図ることを目的とした研究計画である。現在のエッジAI処理では極めて低遅延の学習推論成果が得られるという大きな特長を有する反面、高性能なクラウドサーバを用いる方式に比べ、精度で見劣りするという課題があった。本研究課題は、(1)「エッジデバイスの動的クラスタリング機能」と「低オーバヘッド通信機能」を実現するソフトウェアモジュール及びその支援ハードウェア機構を設計し、(2)そのソフトウェア/ハードウェアの最適な機能分担を明らかにすること、により、複数のエッジデバイスを自律的に協調動作させ、低遅延性と学習精度向上の両立を目指すものである。 前年度までに、システムソフトウェアモジュールと支援ハードウェア機構の設計を行った。既存の組み込み用OSを拡張するミドルウェア型のシステムソフトウェアモジュールとし、統一インタフェースの提供を実現した。支援ハードウェア機構の機能要件を検討した上で、インタフェース部を設計した。デバイスの動的クラスタ機能に関して、クラスタリングに用いるパラメータの最適値が実行環境によって大きく異なることから、実行中にパラメータ値を調整する動的調整機構を開発した。 最終年度である本年度では、前年度にプロトタイプシステムで収集していたシミュレーションパラメータ値を用い、実際の動作環境を想定した詳細な性能評価を行った。その結果、エッジに近い位置でのクラスタ化が有効に機能し、性能向上に有効であることが確認できた。本研究により、実効性能が近いデバイス群を動的にクラスタリングし、処理を適切に割り当てることで、全体として高度な処理を可能にするという基礎技術を確立することができた。本研究で得られた知見は特定の処理に特化するものではなく、広く他分野への応用・発展も期待できるものである。
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