2020 Fiscal Year Research-status Report
近似計算における設計効率化・低電力化のための回路設計技術
Project/Area Number |
20K11737
|
Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
小平 行秀 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (00549298)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 集積回路の設計自動化 / 近似計算 / レイアウト設計 / 論理合成 / 低消費電力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,計算において誤差を含むことを許容する近似計算(Approximate Computing) において,論理合成やレイアウト設計に焦点を当て,大規模な回路に対して,設計時間の短縮や消費電力の削減のための集積回路の設計技術を開発することを目的とする.提案技術は,大規模な論理回路に対して,計算誤差の増大を抑えつつ,ゲート数や配線数などの回路規模を削減するように回路を変更する.回路規模を削減することで,設計時間の短縮,回路面積の削減,消費電力の削減,回路の高速化を実現する. 本年度は,論理合成後のネットリストに対して,2 つのネットを縮退するネット対のマージを行うことで,ネット数の削減とセル数の削減を図った.信号の類似した2つのネット対をマージすることで,計算精度を保ちつつ,設計の効率化を目指した.計算機実験では,回路によって得られる性能にばらつきがあるものの,約10%の近似誤差で,平均20%程度面積と配線長を減少させる結果が得られた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,本年度はネット対のマージについて検討を行った.信号の類似度,マージした際に増減する配線長,ネット対のマージによって削除されるゲート数を元に縮退するネット対を選択することで,近似誤差が少なく,回路性能の向上を図った.研究実績の概要に示した通り,計算機実験では,回路によって得られる性能にばらつきがあるものの,約10%の近似誤差で,平均20%程度面積と配線長を減少させる結果が得られた.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度に提案した手法は,小規模な回路のみで性能を比較したため,今後,大規模な回路を用いて性能の評価を行うことを目指す.本年度に提案した手法ではネット対のマージの際に,任意のネット対の信号の類似度を計算するため,回路が大規模になると計算時間が掛かる.そのため,大規模な回路にも適用可能となるように計算の効率化を検討する. また,当初の予定通り,回路の高速化を目指した近似計算手法を検討する.
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの流行により,国際会議への出張ができなかった.今後,今年度の研究成果を国際会議に投稿する予定であり,その旅費に充当する予定である.
|
Research Products
(1 results)