2020 Fiscal Year Research-status Report
アプリケーションドメイン指向型コンピューティング基盤技術の研究
Project/Area Number |
20K11738
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
密山 幸男 高知工科大学, システム工学群, 准教授 (80346189)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プロセッサ / 再構成可能アーキテクチャ / アプリケーションドメイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、再構成可能ハードウェアとアクセラレータをホストプロセッサの拡張命令を実現する要素と位置づけ、さらにアプリケーションドメインを特化することで、再構成可能アーキテクチャ、アクセラレータ、ホストプロセッサの最適な組合せの探求により、高性能・高エネルギー効率・高柔軟性を実現する持続可能なコンピューティング基盤の提案を目的としている。 本研究目的を達成するため、令和2年度はプロセッサのベースアーキテクチャの検討と、FPGAを用いたプロトタイプ設計を中心に取り組んだ。まず、プロセッサのベースアーキテクチャを決めるため、RISC-Vの基本命令セットをサポートする複数のオープンソースRISC-Vプロセッサコアについて比較検討を行った。動作確認には簡単なCプログラムを用い、性能評価にはCPUベンチマークとしてCoremarkを使用した。複数種類のFPGAボードを用いて実装し、動作確認を行った。FPGAを用いた実機動作まで行うためにかなりの時間を要したが、多くの知見を得ることができた。また、FPGAに実装した回路の消費電力測定が可能な評価用カスタムボードを用いて、評価対象プロセッサの消費電力測定も行った。さらに、LinuxOSを実装するためのプロセッサアーキテクチャの検討、ならびに拡張命令の追加にともなうコンパイラの実現方法についても検討を進めた。並行して、ターゲットアプリケーションについても検討を進めた。これまで研究をすすめてきた機械学習向けアクセラレータの搭載を想定しており、教師あり学習だけでなく、新たに強化学習にも注目し検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数のプロセッサコアについてFPGAを用いたプロトタイプ設計を含めた比較評価を行うことで、実証実験に向けた課題を早期に確認することができており、大きな問題なく進められているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで研究を行ってきたアクセラレータを提案プロセッサに搭載することを目指して研究を進めていく。また、最近の調査で、コロンビア大学のチームが開発したオープンソースSoCプラットフォーム(ESP)が本研究課題を進めるうえで参考となる重要な研究プロジェクトのひとつであると注目している。ESPの調査を並行して進めながら、研究課題の推進を加速させたいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初予定していた旅費支出がなかったために次年度使用額が生じた。実機評価環境の構築費等に充当し、研究目的の達成に向けて有効利用する。
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