2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K11750
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤田 聡 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (40228995)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 双方向コミュニケーション / P2P / エッジサーバ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は以下の成果を得た.
1. 双方向コミュニケーションの一つとしてインターネット上でのイラストの共同描画に着目し,イラストの共同編集を行うシステムのプロトタイプを作成して遅延時間の実測を行なった.その結果,編集データの共有方式の違いが実験的に明らかになった.具体的には,WebRTCを用いたP2P通信によって達成可能なレイテンシーが,クラウド(Firebase)を介した共有によって達成されるレイテンシーの約半分で抑えられることが明らかになった. 2. 双方向コミュニケーションの二つ目のユースケースとして三次元オブジェクトの共同操作を通した遠隔ユーザ間のコミュニケーションに着目し,そのような動作を実現するためのプラットフォームの作成を行なった.現在作成中のプラットフォームはHTML5をベースにして記述されており,ウェブブラウザを搭載したマシンであればどこでも動作する.またデータベース更新のオーバーヘッドを短くするため,Vue.jsなどのMVVMモデルをサポートしたフレームワークが利用されている. 3. 多人数での双方向コミュニケーションの実現方法の一つとしてMMORPGに着目し,MMORPGで実現される仮想環境のスケーラブルな実現方法について検討した.具体的には,仮想環境をシミュレートする物理エンジンをコンテナ型仮想マシンを使って分散化し,クラウドとエッジサーバを適切に連携させることで過負荷の抑制とレイテンシーの短縮を両立させる手法について検討を行い,予備実験の結果を得ている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は当初の予定通り,ベースとなる環境の整備を中心に行なっている.プロトタイプの作成はほぼ終了し,その上で予備実験のデータが取れるところまで進捗しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に構築したプラットフォーム上でレイテンシーの測定を行い,改良が必要なボトルネックになっている箇所を特定する.その上で,ボトルネックを解消するための提案を行い,プロトタイプ上での実装と評価へと進んでいく.
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Causes of Carryover |
学会出張がすべて取りやめになり,旅費として確保していた分が利用できなくなったため. 令和3年度は,前年度からの繰越分を合わせて計算サーバ用の高性能マシンを購入するとともに,インタラクティブコンテンツの表示用に使うヘッドマウントディスプレイを追加で複数台購入する計画である.
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Research Products
(4 results)