2020 Fiscal Year Research-status Report
プログラム変換技術を活用する高性能科学技術計算向け高生産プログラミング環境
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20K11763
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
村井 均 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 上級技師 (70590074)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プログラミング / 高性能計算 / メタプログラミング / コンパイラ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度には、メタプログラミング環境におけるプログラミング変換を容易に記述するライブラリの充実化を中心に研究を行った。具体的には、抽象構文木(AST)に相当するオブジェクトを操作するためのメンバ関数を整備するとともに、任意の式を生成するための機構を実装した。また、プログラム変換の種類と対象を指定するためのメタプログラミング指示文の仕様を拡張し、任意のブロックを対象として指定することを可能とした。以上により、種々のプログラム変換を定義するメタプログラムを記述することが容易になるととともに、ターゲットプログラムに対してより柔軟にプログラム変換を適用することが可能になると考えられる。開発したライブラリの評価では、フランスCEAが開発するプラズマシミュレーションコードGYSELAの富岳向け最適化を目的とする、手続きのインライン展開を対象としている。さらに、派生データ型の構造の最適化として、ポインタ型成分を割付け配列成分へ変換する機能を検討中である。コンパイラ基盤に基づく本フレームワークでは有効範囲を認識できるため、このような型または変数を対象とする操作を容易に記述できることが一つの特長となっている。本機能により、バックエンドコンパイラの最適化およびベクトル化が促進されるため、上述のインライン展開機能と併せて、富岳向けアプリケーションの開発において大きな効果が期待できることに加え、富岳を含む多様な計算機環境に向けた最適化の実現にもつながる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染対策のため出張等が制限されているので、Xevoleverプロジェクトとの連携のための打ち合わせがやや滞っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度には、計画通りに、メタプログラミング環境におけるプログラミング変換を容易に記述するライブラリの充実化を続ける。加えて、本フレームワークをGYGELAに適用して最適化を促進し、実機(富岳)においてその効果を検証する。
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Causes of Carryover |
主に、COVID-19感染対策のため出張が制限されたことから、旅費の使用が、当初計画より大きく減ったため。ワクチン等のCOVID-19感染対策の状況次第で、旅費を中心に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)