2020 Fiscal Year Research-status Report
IEEE 802.11ax におけるチャネルと同時通信端末数の割当手法
Project/Area Number |
20K11769
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
福田 豊 九州工業大学, 情報基盤センター, 准教授 (90372763)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 無線LAN / IEEE 802.11ax / チャネルボンディング |
Outline of Annual Research Achievements |
IEEE 802.11axでは稠密環境での実効スループットの向上が図られており,従来のCSMA/CAからMIMOとOFDMAによる片方向の同時通信へと通信技術が大きく変化する.IEEE 802.11axでも複数チャネルを束ねて高速化するチャネルボンディングが採用されているが,一方で多数の端末が通信する環境で広帯域のチャネル幅を使用すると衝突や伝送エラーが増加してスループット特性は低下することが先行研究よりわかっている.よってチャネルボンディングの割当手法は実運用を想定し電波干渉や端末数等を考慮しなければならない.そこで本研究では実機を用いてチャネル幅や端末数を変化させて通信実験を行い,得られた知見を基に電波資源の効果的な利用を実現するためのチャネル幅と同時通信端末数の割当手法を提案する.本年度の研究実績は以下の通りである. (1) IEEE 802.11axのチャネルボンディングやOFDMA割当端末数に関する調査 : 高速化を実現するためにはチャネルボンディング技術は欠かすことができない.日本においても2019年7月に5GHz帯に144チャネルが追加され,合計20チャネルが使用できるようになった.これにより40,80 MHzのチャネル割当が1個ずつ新たに可能となったが,実験機材でもこの割当が可能であることを確認した. (2)実機実験による IEEE 802.11ax基本スループット特性の調査 : 2020年度はIEEE 802.11ax対応端末を用いて基本的な通信特性を確認した.具体的にはAPは1台,端末は1-4台とし,チャネル幅を変化させながら通信を行い,OFDMAによる同時通信性能が相互に与える影響を分析した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
省令改正によるW56 144チャネルの追加と,それによる40,80 MHzチャネルボンディングの新割当を実験環境で確認した.加えて2020年に入ってからは6GHz帯の利用に関する規格化が検討されており,広大なチャネルが割り当てられる見込みがあるため,引き続き調査を継続している. 実機実験については予定通り1台のAPと4台の端末を用いた通信実験を行い,総スループット特性を最大化する観点からチャネルボンディングが有効となる条件を明らかにした.特に旧規格までしか対応していない端末と混在した場合の実験も行い,旧規格端末が小数台混在するとスループット特性は大幅に低下してしまうことがわかった.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度中に端末やネットワーク機材などを準備し基本的な実験環境を構築する事ができたので,2021年度はAPの数を増やし,AP稼働台数,チャネル幅,同時通信端末数,チャネルの重複割合による電波干渉等を変化させて通信特性を取得し,得られた結果から各要素間の関係性を明確にする.提案方式では端末収容数を最大化しながら干渉の影響を軽減するようチャネル幅と同時通信端末数を割当てることを検討しているが,得られた実験結果から通信特性に影響を与える要素に重みを加えて提案方式を改良するしていく.加えて電波干渉が少ない場所に提案手法に基づいた設定を実際に投入し,提案手法が実用に耐え得るのか初期検証を行う予定である.
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