2020 Fiscal Year Research-status Report
セマンティック情報付加によるクラウド型位置推定システムの高精度・大規模化
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20K11771
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高橋 淳二 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (20456685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 晃宏 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (10447550)
余 永 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (20284903)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | セマンティック情報 / ワンショット位置推定 / 属性付き線分ランドマーク / クラウドシステム / 3D CAD / 画像検索に基づく位置推定 / 6自由度位置推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまでに構築してきたクラウド型位置推定システム(UMap)において、セマンティック情報を考慮することで類似度計算手法を改良し、位置推定精度を向上させることである。初年度(R2)に取り組んだ内容とその実績は以下の通りである。 (1)DB画像の線分への、壁、天井、ドア枠、窓枠、などの属性の付与: 元となる3D CADデータは制作の段階で各建材パーツはレイヤー分けされている。これをDB線分画像の属性として反映させるために、DataBase Image Generator (DBIG)を改良した。具体的には、各属性ごとに ply 形式ファイルを用意し、DBIG で ply ファイルを読み込む際に属性を設定する。線分画像の出力では、8bit グレースケール画像において、一属性につき4bitを割り当て、16種の属性を設定できるようコーディングしている。 (2)セマンティックセグメンテーションを利用したクエリ線分画像の属性判定: アノテーションツールである LabeMe を利用して、屋内写真663枚を準備した。セマンティックセグメンテーション技術には Deep Lab V3+ を利用し、12,000回の学習で交差検定を実施した結果、壁や天井、床などの主要部分の IoU は 90 %以上となり、有効に利用できることを確認した。さらに、セマンティックセグメンテーションの結果に基づいて、線分の属性を判定するアルゴリズムを開発した。 (3)属性付きDB画像と属性付きクエリ画像を用いた、幾何学特徴・意味特徴を利用した画像類似の計算: DB背景、クエリ背景、各線分の属性を10種に分類し、属性が一致する線分の重なりのみ、スコアが加点される類似度評価指標を新たに設計した。予備的な実験から意味特徴を使うことにより、誤推定することなく正しく判定されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幾何学特徴のみで画像の類似度計算を実施していたこれまでのUMapに、意味特徴を利用した画像類似度の計算を組み込むことに成功した。具体的には、属性付きDB画像の作成、クエリ画像線分の属性判定、属性を考慮した類似度計算アルゴリズムを開発した。属性数や各調整パラメータは現段階では決め打ちで行っているものの、意味特徴を使わない場合に比べて意味特徴を利用するほうが性能が向上することを実験的に確認できた。今後パラメータを最適化することで性能の飛躍的な向上が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
属性数の決定、線分属性を判定する際のアルゴリズムパラメータの最適化による性能の向上に取り組む。また、線分だけでなく面部分の属性を利用することでさらなる性能の向上が期待できることが分かっており、新たに、線、面の両方の属性を考慮した類似度計算評価式を設計する。さらに検証フィールドを増やし、汎用的に有効であることを示す。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の予防対策として、大学から出張自粛の要請があり予定していた講演会や他大学教員との打ち合わせ等をキャンセルし旅費の支出がなくなったため。また、購入を検討しているグラフィックボードを搭載するワークステーションが品薄状態となり、2020年度に納品することができなくなったために次年度使用額が生じた。 使用計画としては、グラフィックボードを搭載するワークステーションの購入を計画している。
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