2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study of Mobility Platform based on Cyber-Physical Cooperation for Human-Robot Coexisting Environments
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20K11776
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
加藤 由花 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (70345429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
串田 高幸 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (40593794)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 移動ロボット / 人移動モデル / サイバーフィジカル連携 / IoT基盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,サイバーフィジカル連携により,汎用的な人移動モデルを機械学習とシミュレーションを併用することでクラウド上に構築し,フィジカル側すなわちロボットおよび IoT 機器で収集するデータを用いて継続的にモデルを更新し,その結果をフィジカル側に転移することで,ロボットでの実時間知的制御の実現を目指すものである.本年度は,(A)フィジカル側で収集する環境情報から歩行者の軌跡データを取得する手法の開発;(B)人移動軌跡予測モデルの構築;(C)ロボット経路生成手法の開発;(D)サイバーフィジカル連携基盤の設計,という4つの研究課題に取り組んだ.研究課題Aでは,センシング結果から複数人の軌跡データを取得するフィルタとして,既存手法により出力された各人の位置座標を一観測ごとに入力とし,ガウス過程回帰により移動軌跡を出力する手法を開発した.研究課題Bでは,既存データセットから環境の特徴を含んだ訓練データを抽出し,機械学習により予測器を構築する手法を提案した.具体的には,データ集合の性質を歩行速度および角速度を特量とする多次元ガウス分布として表現し,分布間の類似度をKL情報量により比較することで,適切な訓練データを構成する手法を提案した.研究課題Cでは,当初,コストマップの動的学習をベイズ推定モデルとして定式化することを予定していたが,研究項目Aにおいて,センシング結果の予測分布が得られるようになったことから,人移動軌跡予測を経ずに強化学習によりデータセットから直接ロボットの経路を生成するモデルを構築する手法の開発を進めた.研究項目Dでは,クラウド・IoT統合システム管理基盤であるLogical Sensor Cloudの研究を推進し,特に管理モジュールの設計を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度初めはリモートワークに伴う研究活動の制限の影響もあり,新たなデータ取得を伴う研究項目の着手が遅れる等,スケジュールは全体的に後ろ倒しになった.研究計画にしわ寄せがきていることは否めないが,研究項目の実施時期を入れ替える等で対処した.その結果,各要素技術については,ほぼ予定どおりの進捗状況であり,研究はおおむね順調に進展していると考えられる.研究項目Cについては,実験用シミュレータの開発,小型実機ロボットへの実装等,主に実験環境の整備を行い,初期検討を開始した段階であるが,この項目は次年度にかけての研究課題であるため,特段問題はないと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,各研究項目における要素技術を完成させるとともに,環境データの取得,予測モデルの適応的更新,サイバーフィジカル連携基盤の構築の3点を中心に研究を進める予定である.環境データ(フィジカル側のデータ)の取得については,予測精度に影響を与える要因として環境を捉えなければならず,無限にある要因から,軌跡予測を特徴づける観測可能なデータを取得する必要がある.これには多くの試行錯誤が必要になる.予測モデルの適応的更新については,オンライン学習が可能であるモデル構成(ベイズ推論など)に組み替える必要があり,現状利用している機械学習モデルをそのまま用いることができるか検討が必要である.更新のタイミングを工夫する,複数の更新タイミングを階層的に構成する等の方法も検討していく.さらに,クラウド基盤への各種機能の実装を進め,フィジカル環境との連携を実現する手法の研究開発を進める.
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により学会がほぼ全てオンライン開催となったため,旅費として計上していた分の予算を執行しなかった.次年度は,今年度構築したシステムを拡張し,検証実験を行うための各種デバイスやソフトウェア部品を購入するためにこれらの予算を使用する.また,当初予定に追加して論文投稿料を支出予定である.
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Research Products
(18 results)