2021 Fiscal Year Research-status Report
測距・測位不要な信号源同士の近接関係推定による信号源クラスタリング
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20K11778
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
川喜田 佑介 神奈川工科大学, 情報学部, 准教授 (30468540)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クラスタリング / 時系列 / RSSI / IoT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、測距・測位不要な信号源同士の近接関係推定を行うことで、信号源のクラスタリング結果の時間推移を得、各々のクラスタのアノテーションを活用する近接性アプリケーションの創出を目的としている。そのようなアプリケーションを対象として、測距・測位不要の信号源近接性推定技術を提案している。提案手法では、受信電力強度(RSSI)の時系列データを特徴量とし、それぞれの系列間の類似度を距離関数で表し、階層的クラスタリングすることで近接関係を定量的に示すことができる。 当初計画ではユーザが携帯するBLEタグなどから発信されるビーコンのRSSIを観測しその近接性を推定する応用を考えていたが、コロナ禍による学生の入構制限によりクラスタリング対象となる信号源が単独あるいは少数にとどまるため、今年度は使用環境に設置された無線LANアクセセスポイントのBSSIDを使用して観測者の状態を判別するタスクへ変更して研究を進めた。また、時系列データのクラスタリング手法のアルゴリズム選定を行い、時系列データのセグメントとクラスタリングを同時に使用可能なToeplitz Inverse Covariance-based Clustering (TICC)をその候補とした。信号源同士の近接性(階層的クラスタリング)の前段階として、基礎的な実験的評価により無線LANアクセセスポイントのBSSID毎のRSSI時系列データからTICCを用いて観測者の在室判別を行うことが可能であると見通しを得た。また、近年の無線LANの普及により多数のBSSIDが観測され、観測されたすべての系列を用いてTICCを実施すると、処理時間が現実的なものにならないこともわかり、予め使用する系列を選択するなどの前処理が有用であることもわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍による学生の入構制限や信号源を所持して移動するユーザが減少するなどして実験が思うように行えなかったが、時系列データ対象およびタスクを変更するなどして対応できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、ユーザが携帯するBLEタグなどから発信されるビーコンのRSSIを観測しその近接性を推定する応用を考えていたが、コロナ禍による学生の入構制限等も継続する可能性があるため、引き続き使用環境に設置された無線LANアクセセスポイントのBSSIDを使用して観測者の状態を判別するタスクに取り組む。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による学生の入構制限により実験の計画と応用としてのタスクを変更したため。次年度以降で実証を伴う実験の実施が困難であれば、シミュレーションや信号発生器の利用などで代替する。
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