2020 Fiscal Year Research-status Report
Construction of a sensor network using metallic leaf circuits
Project/Area Number |
20K11780
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
瀬川 典久 京都産業大学, 情報理工学部, 准教授 (20305311)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 金属箔 / 3Dプリンタ / 軟質フィラメント / デジタルファブリケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、3Dプリンタと最近開発されているやわらかいフィラメントを活用し研究を進めた。主に、以下のことを行った。 1)3D printerのUltimaker S5を活用して、軟質なフィラメントのFilaflexを出力することに成功した。Ultimaker S5を改造するのではなく、印刷速度・印刷温度・フロー及びその他の細かいパラメータを調整することで出力可能になった。このことにより、まず回路を設置するためのベースの素材をコントロールすることが可能になった。 2)Filaflexで作成した2層の外装に金属箔回路で作成したFPCを組み合わせ、虫ピンとLEDライト、ジャンパーピンを活用して多層回路を構築した。実際にLEDライトを光らせることに成功した。今回は一例としてLEDライトを実装したが、本実験の結果より他のセンサーなども実装することができる。また、軟質なフィラメントを出力している途中に3Dプリンタを静止させ、金属箔回路を設置し、再度印刷を続けることで、軟質なフィラメントの中に金属箔回路を埋め込むことに成功した。この方法を使うことで、容易に多層回路を構築することが可能になった。 3)作成した多層回路の折り曲げ耐性を評価することで、実際にどれくらいの曲げに耐えることができるのか、どこまで実用的な部分で使えるのかの評価をした。90°までの曲げに耐えることに成功し、既存の曲げに対する制限も緩和することを示した。しかし、外装は今後用途に合わせて設計をする必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
順調に進んでいると判断した理由は、金属箔回路と3Dプリンタを組み合わせて回路と外装を構築できることがわかったために、この技術を基本として、研究を発展させればいいと分かったからである。 特に、2020年度軟質フィラメントのFilaflexを見つけ出し、金属箔回路に用いることができる、出力パラメータを決定できたために、再現性をもって研究が遂行できるようになった。 本研究の当初の予定では、3Dプリンタと組み合わせることは考えていなかった。応用例の実装とその評価が進んだ場合、最終年度を待たずに次の研究申請を行うことを考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題は、回路との長さの調節を行った後に、電子部品のはんだ付けを行い、迅速に部品の交換を可能にすることである。現時点では迅速に部品の交換ができず、部品を交換する場合は電子部品の長さの調節を行い、全ての部品が接続されているかを確認した後に、実装を行わなければならない。また、今後用途に合わせて外装をユーザーが設計する必要がある。
90°の曲げに耐えることが確認できたため、硬さと柔らかさの違いを補填することができた。本研究では一番シンプルな2層の多層回路を設計したが、今後用途に合わせて外装を設計し、布などの柔らかいものに実装することを目指す。また、加圧による背電容量の変化を評価し、外装に回路を挟むだけで簡単に作れるタッチセンサーやプッシュボタンなどの実装が可能であることがわかったため、その実現を目指す。
また、応用事例の開発もすすめる。2021年度は、くつのインソールに回路を埋め込むことを計画している。くつのインソールに埋め込んだ後、埋め込んだ回路の静電容量などをはかることで、人間がどの程度の強さで踏んでいるかがわかる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で、UISTなどの国際会議がリモート開催および共同研究先への出張も取りやめになったために、旅費として計上していた部分がまったく使われなった。 2021年度は、年末の国際会議に出席できる可能性があるために、繰り越した予算を国際会議参加のための旅費に計上する予定である。
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