2022 Fiscal Year Research-status Report
送信情報を情報量的に秘匿する無線分散伝送技術の開発
Project/Area Number |
20K11782
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Research Institution | Japan Coast Guard Academy (Center for Research in International Marine Policy) |
Principal Investigator |
山中 仁昭 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), 国際海洋政策研究センター, 教授 (00352047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金城 繁徳 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), 国際海洋政策研究センター, 教授 (80225119)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分散伝送 / 物理層セキュリティ / 情報量安全性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は無線空間の時間/周波数/空間の多次元的な無線リソースを有効に組み合わせて活用し,無線空間内で情報を分散伝送させることをベースに伝送の秘匿性向上を図る研究である.本研究に関してはこれまで,無線空間のマルチパス性に注目し,電波の伝搬する複数の方向に対して送信アンテナの指向性を制御することにより,それぞれの放射方向に沿って複数の伝送路を形成することが可能なこと,また,それらの伝送路を用いて情報を分散伝送させることにより,送信情報の秘匿性を向上できることを示した. 2021年度においては,これまでの空間リソースの活用において,アンテナの指向性制御に加え,MIMO信号処理に基づく無線信号の空間多重伝送に注目して研究を進めた.具体的にはQR分解に基づく伝搬路行列のブロック対角化法に注目し,伝搬路行列の対角化によって形成される伝送路の伝搬利得を互いに平準化することにより,送信アンテナの指向性制御と同様に無線空間内に複数の伝送路を形成することが可能であり,送信情報の秘匿性向上に資することを確認した. 2022年度においては,MIMO信号処理を用いた具体的な分散伝送法として,秘密分散法を適用した分散伝送法を提案し,伝送容量を尺度として秘密通信の可能性について検討した.提案法では,伝搬路行列を対角化するMIMO信号処理に基づいて無線空間内に複数の伝送ストリームを形成し,形成した伝送ストリームへ秘密分散法により送信情報を分割して伝送する.その際,各伝送ストリームを流れる信号電力を等しく制御することで伝送容量が最大となることに注目し,正規ノードに対して伝送容量を最大化することで,周囲のノードに対して伝送容量を高く保ち秘密通信が可能であることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は無線空間の時間/周波数/空間の多次元的な無線リソースを有効に組み合わせて活用し,無線空間内で情報を分散伝送させることをベースに伝送の秘匿性向上を図る研究である.これまで,アンテナの指向性制御やMIMO信号処理に基づいて無線伝送の空間リソースを活用する検討は進めているものの,時間/周波数等の多次元的な無線リソースを活用する検討には至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでMIMO信号処理を用いることで無線伝送の空間的な分散性を引き出し,送信情報の秘匿性を向上できることを確認した.今後はMIMOチャネルの特徴を踏まえながら,その更なる秘匿性向上の可能性について検討を進めるとともに,MIMO伝送と親和性の高いOFDM伝送に注目し,時間/周波数/空間の多次元的な無線リソースを活用した分散伝送を検討する.
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Causes of Carryover |
オンラインミーティングの活用で旅費を削減することが出来たため.論文投稿料等研究成果を発表する費用として使用する予定である.
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Research Products
(2 results)