2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K11785
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西山 大樹 東北大学, 工学研究科, 教授 (90532169)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 局所集中型通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
実世界とサイバー空間を融合したCPS(Cyber Physical System)は,世界が直面する様々な社会課題を解決するものとして,あらゆる産業分野でその実現に向けた試みが本格化している.防災・減災の分野も例外ではなく,例えば,耐災害CPSの一つとしてリアルタイム避難誘導システムの実現が期待されている.そして,その実現に向けて,その情報伝達手段を担うアドホック通信に期待が集まっている.災害時には携帯電話等の通信インフラが使用できないことが想定されるため,被災地内の通信機器(スマートフォン・自動車・ドローン等)を利用することで応急的な通信機能を提供するアドホック通信は非常に有用であるが,耐災害CPSが必要とする性能を達成可能なアドホック通信技術は未だに確立されていない.そこで本研究では,この課題の主要因である通信要求の衝突や電波の干渉の問題を解決すべく,局所集中型通信制御技術を創出するとともに,それによる性能向上を定量的に明らかにすることを目的としている. 本年度は,(A)仮想セルのクラスタ構成法と,(B)ツリー構造化に基づく無線リソース制御法の,2つに関する検討を実施した.特に,(A)については,独立した仮想セルと,稠密型の仮想セルクラスタのそれぞれについて技術検討を行った.独立した仮想セルについての検討では,アドホック基地局の移動による遅延のみならず,端末間公平性も重要課題となることを明らかにするとともに,その解決手法を考案し,その有効性を定量的に示すことに成功した.稠密型の仮想セルクラスタについては,2つの隣接セル間の協調に基づく新たなNOMA方式の提案を行った.一方(B)については,ツリー構造化の一つの手段としてIABに着目し,限られた帯域を効率的に使用する帯域分割法について解析モデルを構築した.なお,本年度の成果をまとめた論文が来年度発行される予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画から遅れることなく進捗しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に大きな変更はなく,当初の計画に基づいた実施方法の通りに推進していく見込み.
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Causes of Carryover |
消耗品についてより詳細な検討を行うために年度内の購入を見送った.次年度,検討が完了次第,購入等行う予定.
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