2021 Fiscal Year Research-status Report
バッファリング遅延ゼロ・100%リンク利用率を達成する理想的な輻輳制御の追求
Project/Area Number |
20K11786
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
内海 哲史 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (60605971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 剛 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (00294009)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | BBR / CUBIC / 輻輳制御アルゴリズム / Bufferbloat / インターネット |
Outline of Annual Research Achievements |
【具体的内容】本研究では、遅延時間が小さく、100%の回線利用率を達成する理想的な輻輳制御アルゴリズムを実現することを目的とする。具体的には、バッファブロートと呼ばれる、遅延時間が数秒クラスに増大する輻輳問題に着目する。従来の輻輳制御アルゴリズムでは用いられていないネットワーク計測手法を活用し、数学的理論に基づいて輻輳状態を正確に推定する。その結果を、新たな輻輳制御アルゴリズムへ応用する。提案手法の有効性を数学的に保証すると共に、コンピュータシミュレーション及び実ネットワーク環境下での実験により実用性の検証を行った。2020年度までは、我々の提案するアルゴリズム(提案アルゴリズム)の性能評価がシミュレーション実験にとどまっていたが、実機実験による性能評価を実施できるように、提案アルゴリズムのオペレーティングシステム(OS)への実装も進めた。また、2021年度からは、2020年度までの研究を発展させ、従来型の輻輳制御アルゴリズムであるCUBICと、遅延を抑える輻輳制御アルゴリズムであるBBRとの競合時における公平性の問題についても研究を進め、成果を挙げた。 【意義】提案アルゴリズムの実機での実現可能性を示唆した。また、Google社が2016年に発表した遅延を抑える輻輳制御アルゴリズムであるBBRと、現在のインターネットにおいてもっとも普及している輻輳制御アルゴリズムであるCUBICとのスループット公平性を改善することに成功し、BBRや提案アルゴリズムの普及に寄与すると考える。 【重要性】提案アルゴリズムが、シミュレーション上における実装や理論上にとどまらず、実機実装でも高性能を実現できることを確認している。また、異種輻輳制御アルゴリズム間の公平性改善の方法について、解析的手法に基づいたフレームワーク(枠組み)を与えることができたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
前年度までの研究を発展させ、従来型の輻輳制御アルゴリズムであるCUBICと、遅延を抑える輻輳制御アルゴリズムであるBBRとの競合におけるスループット公平性の改善についても研究を進め、成果を挙げたため。具体的には、2021年度中から執筆を始めた研究論文が、国際会議IFIP Networking 2022に採択するに至ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 提案アルゴリズムの実機実験での評価を進める。 2. 異種輻輳制御アルゴリズム間の公平性改善についても、研究を進める。 3. 機械学習をもちいた輻輳制御アルゴリズムの性能改善手法についても検討し、そのフレームワークを与えることを目標のひとつとする。
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Causes of Carryover |
高性能ノートPCを購入する必要が生じたが、当該年度の残予算では購入ができず、次年度に残予算を回し次年度との予算との合算で、高性能ノートPCを購入する予定である。
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Research Products
(4 results)