2023 Fiscal Year Annual Research Report
バッファリング遅延ゼロ・100%リンク利用率を達成する理想的な輻輳制御の追求
Project/Area Number |
20K11786
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
内海 哲史 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (60605971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 剛 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (00294009)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | BBR / CUBIC / 輻輳制御アルゴリズム / バッファブロート / 解析モデル / スループット / 公平性 / インターネット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、遅延時間が小さく、100%の回線利用率を達成する理想的な輻輳制御アルゴリズムを実現することを目的とした。具体的には、バッファブロートと呼ばれる、遅延時間が数秒クラスに増大する輻輳問題に着目した。従来の輻輳制御アルゴリズムでは用いられていないネットワーク計測手法を活用し、数学的裏付けのある正確な輻輳状態推定方法を提案した。その結果を、新たな輻輳制御アルゴリズムへ応用した。提案手法の有効性を数学的に保証すると共に、実ネットワーク環境下での実験により実用性の検証を行った。2020年度に、我々の提案する輻輳制御アルゴリズム(提案アルゴリズム)の性能評価をシミュレーション実験により実施した。2021年度と2022年度中に提案アルゴリズムのオペレーティングシステム(OS)への実装も進め、2022年度に、実機実験による性能評価を実施した。2023年度に、その実機実験に関する論文が国際会議に採択され、研究発表を行った。また、2021年度に、従来型の輻輳制御アルゴリズムであるCUBICと遅延を抑える輻輳制御アルゴリズムであるBBRとの競合時における公平性の改善について、シミュレーション実験を通じて研究開発した。2022年度に、公平性改善に関する論文が国際会議に採択され、研究発表を行った。提案アルゴリズムが実機でも高性能を実現できることを確認したことで、BBRよりも小さいバッファリング遅延・100%に近い回線利用率、フロー間の優れた公平性を達成する手段を実現できたといえる。また、従来型の輻輳制御アルゴリズムとの公平性を改善する手法を発表したことで、BBRや提案アルゴリズムの普及に貢献できたと考える。いずれの研究内容についても、性能改善の観点から、さらに改良する余地がある。
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