2023 Fiscal Year Research-status Report
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20K11795
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
石田 賢治 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (70221025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畑 博靖 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (30364110)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 情報逗留技術 / 無線マルチホップ環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、情報を適切な領域に適切な時刻から適切な期間逗留させる、受信側の視点から重要な逗留時間の概念を導入して、従来の領域の観点に時間の観点を新たに加え、より多次元的な新たな情報逗留技術の開発を目指す。また、異種端末や異種ネットワークから構成される異種混合ネットワークが出現しつつある。そこで、現実に即した異種混合ネットワークに基づく新たなモデルおよび情報逗留技術の開発を目指す。通信インフラが正常に機能しない場合の通信手段としてエピデミック通信が提案され、さらにトラヒック量削減のために端末からの送信可能領域(Transmission Area: TA)を限定する情報フローティングが提案されている。情報フローティングでは TA 内で情報が拡散され続けるため、送信経路や滞留時間、受信タイミングによっては情報を保持できる時間が極端に短くなるなど端末によって差が生じる。さらに、災害時の避難時などで重要となる情報の時間的な価値の変動については、十分には検討されていなかった。 そこで、災害時の避難時などで重要となる情報の時間的な価値の変動を考慮して、情報鮮度を新たに定義した。そして、拡散率に加え、この情報鮮度を考慮した情報フローティングに基づく配信制御方式を提案した。提案方式において、有効時間を経過した情報は各端末で削除される。また、提案方式は従来方式と比較して、情報拡散率や情報鮮度を考慮可能である。 令和5年度においては、配信制御を効率的に行う要素技術として、無線マルチホップ環境における機械学習を利用したスループットの向上に関して検討した。具体的には、無線マルチホップ環境におけるTCP スループット向上を目指して、外部のインターネットへの接続点となるゲートウェイ端末において、機械学習の一つであるDQNに基づきTCP-ACKを制御する方式を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ禍の影響で、まだ学会出張等が制限されるなど、他の研究者との議論の場が十分確保できないという状況ではあったが、一定の検討は行うことができた。また、得られた成果の一部を電子情報通信学会総合大会で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)新たな多次元情報逗留技術の開発と改良:従来の情報フローティングでは、送信端末のみが制御対象であった。一方、今回は、送信端末の制御に加えて、中継端末や受信端末で受け取ったデータの鮮度や確度にも注目し、新たな多次元情報逗留技術の開発を進めていく。また、機械学習を利用した新たな制御に関しても引き続き検討する。 (2)得られた成果の公開:得られた成果の電子情報通信学会などの研究会や論文誌、および、IEEEの国際会議などへの投稿を検討する。
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Causes of Carryover |
令和5年度は、まだ新型コロナ禍の影響が続いたため、実験や出張等が抑制される傾向にあり、研究費の残額が発生した。次年度は、検討中の技術の改善および有効性の評価に向けての考察が必要であるため、残額の研究費を効率的に利用する予定である。また、得られた成果を研究会等で発表するための旅費や論文別刷り代として利用する予定である。
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