2020 Fiscal Year Research-status Report
複数の電子透かしを用いた音声による記録データの改ざん検知システムに関する研究
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20K11796
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
上原 聡 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (90213389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 保之 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (60314655)
荒木 俊輔 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (20332851)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 整数上のピースワイズ・ロジスティック写像 / 部分系列に対するカオス尺度 / Cascaded NTU系列 / リングオシレータを用いた小規模な物理乱数生成回路 / 特定周波数の位相を用いた電子透かし |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は5つのパートからなる基本システムをMATLAB上に構築した上で、各パートの改良を繰り返しながらシステム全体の性能向上、つまり改ざん検知率の向上を目指している。 そこで、最初に (1) 擬似乱数系列の生成法に重点をおいて検討を始めた。今年度の研究業績として、国際会議で1編、国内会議で5編の発表を行なっている。国際会議で発表した1編は、整数上のロジスティック写像によって生成される系列に関係する内容である。この系列が統計的乱数検定において高い評価を得る領域がコントロールパラメータのごく一部に限られることに対して、ピースワイズの手法を取り入れることで、コントロールパラメータの広い範囲で高い評価が得られることを示している。しかし、実装までには演算精度とピースワイズの分割数の関係など検討が必要な点が多く残されている。 この他にも生成された乱数列と組み合わせることで、さらに改ざんを困難にする非線形フィルタの設計法と、リングオシレータを用いた小規模な物理乱数生成回路の設計と乱数性についても評価検討を行なっている。 また、改ざんをより困難にするために埋め込むビット数を増やすこと考えて、(4) 他の電子透かしについて検討した。透かしの埋め込み方法については十分に検討できていないが、検討過程については次年度に国際会議で発表することが決まっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
擬似乱数系列の生成法の改良および安全性を保証するために系列の統計的性質について調査と解析を行い、多くの知見が得られた。現時点で鍵の候補として検討を行なっている系列として、ロジスティック写像をもとに改良した系列やNTU系列をもとにしたもの、小規模な物理乱数生成回路による系列が挙げられる。概ねどの系列も良好な結果が得られている。特に整数上のピースワイズ・ロジスティック写像を用いた方法では、有効なコントロールパラメータを多く含むことも確認でき、初期値との組み合わせにより多くの鍵を生成できると考えている。 また、(2) 当初本年度の実施を予定していた記録データからの特徴量の抽出方法に関して、調査はほとんど進んでいないが、(4) 透かし情報の新しい埋め込み方法については新しい手法について検討することができた。記録データの特定周波数における位相を用いて埋め込む方法で、幾つかの埋め込み方法について比較検討を行うことができた。現時点では2~3割程度の埋め込みが失敗に終わっているが、さらに検討を行ってシミュレーション結果を精査することで正当な透かし情報の検出率を高めることができると考える。 (3) 透かし情報の生成と (5) 改ざんの検出については、今後検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 乱数系列の生成については、これまでの研究を継続し、さらに解読を困難にする系列の生成法とその評価について検討を行う。(2) 記録データからの特徴量の抽出については、文献調査を行ったうえで本システムに最適な特徴量についての検討を継続する。(3) 透かし情報の生成は、(5) 改ざん検出と合わせて、ブロックチェーンの手法を参考にハッシュ木とそのルートハッシュのチェーンという構成を流用し、改ざん箇所を特定する検証過程が煩雑にならないようなプロトコルを検討する。(4) 透かし情報の埋め込み手法については、誤検出を抑えるために埋め込み精度を高める手法について検討を続ける。
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Causes of Carryover |
当初参加を予定していた国際会議がリモートでの開催となり,海外出張の経費を使用できなかったため,次年度への繰り越しとなっている. また,本科研費の申請時に研究を遂行する上で必要なMATLABを学内のサイトライセンスにより使用することを想定していたが,本学では2021年度からサイトライセンスの契約を取りやめることになり、自前で用意する必要ができたため,繰越の予算をMATLABのライセンス購入の一部に充当したいと考えている.
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Research Products
(6 results)