2022 Fiscal Year Annual Research Report
複数の電子透かしを用いた音声による記録データの改ざん検知システムに関する研究
Project/Area Number |
20K11796
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
上原 聡 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (90213389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 保之 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (60314655)
荒木 俊輔 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (20332851)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 音声電子透かし / 透かし埋め込みのリアルタイム性 / 2つのロジスティック写像 / 透かし情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、過去に構築したシステムにおいて5つのブロック(①乱数系列の生成,②音声データからの特徴量の抽出,③透かし情報の生成,④透かし情報の埋め込み,⑤改ざんの検出)すべてにおいて研究内容を精査している。2022年度の前半は①マルチコアのCPUによって処理時間が短く乱数性の高い系列の生成法を得ることができた。IoTにおいてもマルチコアのCPUが普及したため、同時に2つの写像を行なった後にそれぞれの写像値を組み合わせることで、バランスが良く、逆写像が困難な乱数系列の生成が可能になった。また、機械学習による乱数系列の評価も検討を始めたところである。③と④については特徴量として最大の周波数成分を用いて乱数系列とハッシュ値の位相を変えて組み合わせる透かし情報を生成した。これより、埋め込まれた透かし情報から乱数系列とハッシュ値の分離を困難にすることができ、個別に乱数系列またはハッシュ値の解析を難しくしている。さらにブロックチェーンによる大量の情報を保存するための方法についても検討を行っている。⑤の改ざん検出では、5回の検出結果の多数決判定によって検出位置の誤差を1秒以内とし、検出精度の向上も実現している。
本研究課題では、録音時に透かし埋め込みを同時に行うことを重視した点と誤検出(改ざんが無い部分を誤って検出する場合と改ざんがある部分を検出できない場合)の割合を減らすことを目標にした。会議の模擬実験において埋め込みは遅延なく処理することができたが、特定の女性の会話に対する改ざん検出率が87.3%となり、それを除くと95.6%から99.3%までの検出率となった。今後の課題としては、検出率95%以上を目標とし、Raspberry Piへの実装についても実現したいと考えている。
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