2021 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を活用したネットワーク帯域予約サービスの受付判定方法
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20K11798
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
源田 浩一 日本大学, 工学部, 教授 (00564105)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 帯域予約 / 機械学習 / 誤判定 / 数理計画法 / SDN |
Outline of Annual Research Achievements |
今後普及が期待される新たなネットワークサービスの一つである「ネットワーク帯域予約サービス」に着目し、リアルタイムかつ高い予約受付率を可能とする機械学習(ML)を活用した受付判定方法の検討を進めた。 令和2年度は、MLを活用した受付判定の課題の一つである「誤判定」がネットワーク(NW)リソースへ及ぼす影響の定量評価と、受付判定システムの基本構成及び動作シーケンスの具体化を進めた。「誤判定」の影響評価については、MLで受け付けたリンク帯域とあらかじめ設計した帯域を定量的に比較し、判定特性の向上が必須であることを確認した。受付判定システムに関しては、MLによるリクエスト受付判定機能と、MLで受け付けたリクエストに対する線形計画法(LP)によるNWリソース割り当て機能をシステムの基本構成とする動作シーケンスを明らかにした。これらの内容を含む検討内容をレターにまとめた。 令和3年度は、MLによる受付判定の特性向上を目指して、MLアルゴリズムの代替候補の点から、ニューラルネットワーク(NN)による受付判定方法の検討に取り組んだ。検討の第一段階として、複数の全結合層からなるNNを、カスタマイズのし易さ等を考慮し、TensorFlowやPyTorch等のオープンソースのフレームワークは使用せず、自作した。これまでと同様の学習データを用いて学習機を作成し、未知のリクエストに対する推論を行う一連の基本動作を確認した。しかしながら、「誤判定」特性の点からは大きな改善は得られなかった。特性改善に向けては、令和4年度に引き続き取り組む。これまでの検討内容である機械学習によるリクエスト受付判定方法、「誤判定」の影響を低減するNWリソース割り当て方法、受付判定システムの基本構成及び動作シーケンスを整理し、国際会議で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は、計画に従い、MLアルゴリズムの代替候補としてNNによる受付判定方法に取り組んだ。計画では、NNにおける動作分析や特性向上の方向性の検討着手までを目指したが、NNの調査から評価までに想定以上に時間を要し、基本動作の確認までとなった。このため、全体を通しての進捗は当初計画よりやや遅れていると判断する。 特性の改善は想定以上に時間を要する見通しであることから、令和4年度は、検討項目に優先度を付け一定の成果を出せるよう取り組む。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、当初計画では受付判定システムとしての総合的な評価と特性向上の検討であるが、令和3年度に着手したNNを用いた受付判定の特性向上に重点を置き取り組む。上期は、NN内部の動作分析と特性改善に向けての方向性の検討を進める。下期は、上期の進捗状況をふまえて、各種ハイパーパラメーターのチューニングやNN層構成の変更等に取り組む。上期の状況によっては、「誤判定」全体の低減にこだわることなく、特定の要素(例えば偽陽性)の制御にフォーカスした検討を行う。NNによる受付判定の検討内容について整理しアウトプットを目指す。
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Causes of Carryover |
「誤判定」低減の検討に時間を要し受付判定システムの総合的評価の準備が遅れたこと、加えて、出張計画の変更があり次年度に再考することになったため。
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