2021 Fiscal Year Research-status Report

IoT社会に資するコンパクトな耐量子計算機高機能暗号プロトコルの探求

Research Project

Project/Area Number	20K11806
Research Institution	Ibaraki University
Principal Investigator	米山一樹茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (50759579)
Project Period (FY)	2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords	同種写像問題 / 耐量子計算機暗号 / 認証鍵交換
Outline of Annual Research Achievements	R3年度の研究目的は、耐量子高機能暗号プロトコルの設計である。研究実施計画に基づき、①格子問題に基づく階層型IDベース認証鍵交換方式の設計と提案、②同種写像問題に基づく片側認証匿名認証鍵交換方式の設計と提案、に取り組んだ。階層型IDベース認証鍵交換に関しては、階層型IDベース鍵カプセル化メカニズムを部品として、一般的な構成法を与えた。また、安全性証明における新たなシミュレーション手法を考案し、適応的ID安全性を実現することを初めて示した。提案方式を格子問題に基づく具体的な鍵カプセル化メカニズムで実装することによって、初めての格子問題に基づく階層型IDベース認証鍵交換を実現できる。階層型IDベース認証鍵交換については、国内学会（コンピュータセキュリティシンポジウム）と国際会議（International Conference on Applied Cryptography and Network Security）で発表を行い、公知化した。片側認証匿名認証鍵交換に関しては、疑似ランダム関数と鍵カプセル化メカニズムを部品として、一般的な構成法を与えた。疑似ランダム関数の利用において、2つの関数を組み合わせることにより、1つの乱数から安全性証明上独立となる見かけ上の2つの乱数を生成する手法により、片側認証匿名認証鍵交換における強い安全性を示した。提案方式を前年度の成果による具体的な鍵カプセル化メカニズムで実装することによって、初めての同種写像問題に基づく片側認証匿名認証鍵交換を実現できる。片側認証匿名認証鍵交換については、国内学会（暗号と情報セキュリティシンポジウム）と国際会議（International Conference on Practice and Theory of Public-Key Cryptography）で発表を行い、公知化した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 実施計画に沿って、耐量子高機能暗号プロトコルである格子問題に基づく階層型IDベース認証鍵交換方式と同種写像問題に基づく片側認証匿名認証鍵交換方式の設計を行うことができたため。
Strategy for Future Research Activity	引き続き研究計画に沿って、高機能暗号プロトコルの設計と形式検証を応用した安全性検証を進めていく。特に、コンパクト性を活かしてIoT環境に適した認証鍵交換方式の構成に取り組む。前年度の成果である階層型IDベース認証鍵交換方式と片側認証匿名認証鍵交換方式の一般構成で用いたテクニックを活用することで、安全性を実現することを目指す。
Causes of Carryover	コロナ禍に伴い、国際会議等がオンライン開催となったため、旅費が発生しなかった。未使用分は少額のため、次年度はいくつかの成果を論文誌投稿に切り替え、その掲載料に充てる予定である。