2020 Fiscal Year Research-status Report
次世代防犯カメラシステムにおけるプライバシー指向映像管理方式
Project/Area Number |
20K11829
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 哲 大阪大学, 情報推進本部, 助教 (60388238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
義久 智樹 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (00402743)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストリーミング配信 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、一般の人々が視聴できるよう、次世代の防犯カメラシステムにおけるプライバシー指向映像管理方式(プライバシーの保護を考慮した映像管理方式)の確立を目的とする。本研究の創造性は、次世代防犯カメラシステムという新しい防犯カメラシステムを誕生させる点にある。本研究において、「エッジカメラサーバ連携」「ルール型映像利用方針記述」「共用映像加工認識」と呼ぶ革新的な技術を備えた映像管理方式により、プライバシーの保護を可能にする。より高速な人間の検出、柔軟なポリシー記述、および、より高速な画像処理を行える「NGPCS(Next Generation Public Camera System)」と呼ぶプライバシー指向のビデオ配信プラットフォームを提案している。 4月~8月にかけて、GPUを搭載したPCを調達し、NGPCSのシステム設計、構築とシミュレートを行い、より高速な画像処理について評価した。 9月に研究代表者(松本)、研究分担者(義久)はIWIN国際ワークショップに参加し、「ルール型映像利用方針記述」についてのNGPCSによるより高速な画像処理について成果を纏めて発表し、高い評価を得た。 10月にIEEE国際カンファレンスにて、研究分担者(義久)、研究代表者(松本)により、「エッジカメラサーバ連携」による、クラウドコンピューティングリソースを使った映像配信安定化技術について、発表を行い、高評価を得た。 9月~12月にかけて、より高速な画像処理を行う手段として、クラウドコンピューティングとエッジサーバのリソース利用において、Hyper-visor型からコンテナ型のバーチャルマシン上のエッジコンピューティングリソースにより主に処理を行う仕組みへと見直し、NGPCSを再評価した。2021年1月~3月にこの成果を纏め、InvitationされたInfsoc 国際ジャーナルに寄稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、「エッジカメラサーバ連携」「ルール型映像利用方針記述」「共用映像加工認識」と呼ぶ革新的な技術を備えた映像管理方式により、プライバシーの保護を可能にする。より高速な人間の検出、柔軟なポリシー記述、および、より高速な画像処理を行える「NGPCS(Next Generation Public Camera System)」と呼ぶプライバシー指向のビデオ配信プラットフォームを提案している。 令和2年度では、NGPCSプラットフォームの概ねの方針が決まりつつあり、「エッジカメラサーバ連携」「ルール型映像利用方針記述」の2つについて、順調に評価と探求が進んでいる。国際会議やフォーラムにて発表し、高評価を得ている。 残る「共通映像加工認識」の探求については、令和3年度に集中して探求を行う予定であり、進捗は概ね予定通りとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、「エッジカメラサーバ連携」「ルール型映像利用方針記述」「共用映像加工認識」と呼ぶ革新的な技術を備えた映像管理方式により、プライバシーの保護を可能にする。より高速な人間の検出、柔軟なポリシー記述、および、より高速な画像処理を行える「NGPCS(Next Generation Public Camera System)」と呼ぶプライバシー指向のビデオ配信プラットフォームを提案している。 「エッジカメラサーバ連携」:被撮影物体の識別や映像加工の処理を次世代防犯カメラサーバで行うと、次世代防犯カメラサーバに処理負荷が集中し、処理時間が長くなって映像視聴までの遅延が長くなる問題が起きる。そこで、短時間でエッジサーバ間の連携を行う、送受信方式や選定方式についての探求を行う。 「ルール型映像利用方針記述」:映像利用方針ファイルには、視聴者の属性に応じた映像加工方法を記述する。例えば、被写体個人の立場別にプライバシー配慮を行い、被写体の立場にも添って、個人番号識別番号表示や顔を隠すといった加工を行う。映像利用方針に関する複雑な処理をプログラム等で記述すると、映像利用方針の記述が複雑で困難になる問題がある。それを解決すべく、「ルール型映像利用方針記述」を提案する。 「共通映像加工認識」:視聴者毎に視聴映像を生成すると映像生成に伴うエッジカメラサーバの処理負荷が大きくなって映像生成に時間がかかる問題がある。視聴者の属性が異なっていても共通する映像加工を短時間で認識する手法を提案し、探求する。 令和3年度は、令和2年度に行った「エッジカメラサーバ連携」、「ルール型映像利用方針記述」のNGPCS上の評価も踏まえ、更なる効率化の探求を行う。特に「共通映像加工認識」技術について提案し、NGPCSにて評価し、探求する。令和4年度はこれらを統合してレビューを行い、再評価し、本研究を纏める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において、日本で主催される国際会議にのみ投稿している為、旅費などの支出が大幅に抑えられた事により、次年度使用額が生じている。 次年度使用額費用の使用計画としては、令和2年度の発表数がコロナ禍の影響により、少なくなっている。令和3年度からの実験に使うクラウドコンピューティング利用料や、より多くの学会への投稿費用、コロナ禍が治まった際の発表を伴う出張費にて支出する予定である。
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