2020 Fiscal Year Research-status Report
Temporal Aggregation and Statistical Analysis for Large Temporal Databases
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20K11836
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
成 凱 九州産業大学, 理工学部, 教授 (50368875)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 時制データベース / 時間属性 / 空き時区間 / 時区間集約 / 時区間演算 / 時区間データ合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
センサーやネットワーク技術の発達により、様々なデータが自動または半自動的に収集でき、実社会の時間的変更や傾向を把握できるようになっている。時制データはある事象の時間的制約を表し、その事象の開始と終了の時間や時間の継続を保持するようなデータであり、電子カルテ、行動履歴追跡、環境モニタリングなどの例が挙げられる。本研究は、区間としての時制データ、いわゆる「時区間」を対象とし、時制集約をはじめ、時区間演算の拡張及びその効率的実現を目指している。初年度は、時間属性の意味論基礎及び時区間演算の数学基礎に関する研究を行った。問題領域により、有効時間、トランザクション時間など時間属性の意味が異なり、また、時区間についても実時区間、空き時区間、不確定性区間等が存在する。本年度は、様々な問題領域における時間属性の調査と整理を行った。新型コロナウィルス感染拡大を受けて、本年度は問題領域を偽情報対策に特化し、デマ拡散のメカニズムやフェイクレビューの検出における時間属性の役割を考察し、デマ検知及びレビュアーの特定に関して、偽情報対策の初歩的な研究結果が得られ、国内研究会で講演した。また、評価実験等に必要な大量なデータを合成するために、確率的正規表現に基づくデータ生成言語DGLを考案し、時区間データを含む様々なデータが生成できるようになり、次年度以降の研究開発を進める基礎となっている。この研究成果は国際会議で発表され、その拡張版は論文誌に推薦され、投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
問題領域による時制データの種類と意味を調査したが、時区間演算の数学基礎の確立はまだ道半端である。主な理由は新型コロナ感染拡大に伴い、オンライン授業等の対応に多くの時間がとられ、十分な研究時間が取れないと言わざるを得ない。しかし、本研究の提案である時区間集約と時制データ解析は、接触者追跡などの感染症対策に大いに役に立てると期待され、次年度は着実に進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
時間属性の意味論に基づき、時区間演算の数学基礎を確立すると同時に、大規模時区間データ解析のための効率的なアルゴリズムの開発を進める。そのため、時区間を含む大規模データの汎用的生成言語DGLの機能拡張とデータ生成の効率化を図る。また、接触者追跡及び施設予約等の実社会の問題への提案手法を適用する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大のため、学会はすべてオンラインになって旅費が発生しなかった。次年度に繰り越し、適切に使用する予定である。
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