2021 Fiscal Year Research-status Report
Temporal Aggregation and Statistical Analysis for Large Temporal Databases
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20K11836
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
成 凱 九州産業大学, 理工学部, 教授 (50368875)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 時制データベース / 時区間集約 / 時区間解析 / 区間代数 / 区間演算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は時区間データ管理の基盤研究を行い、時間属性を対象とした時制集約をはじめ、時制解析基盤の確立を目指している。昨年度に続き現実世界の様々な時間的制約を調査・分析し時制集約の意味論的基礎、時区間演算の数学的基礎を築くことを目標にしている。その結果、区間データ解析の数学的基礎として、区間代数を構築することができた。時制データベースやデータマイニングの先行研究ではAllenらの13種の二項関係をベースに区間関係を表しているため、より複雑な解析パターンを表現することが困難であると知られている。本研究で提案した新しい区間代数では、ペア代数(Pair Algebra)を基にして実区間、ヌル区間を定義し、さらに区間の幅、ギャップ、区間移動、拡大縮小などの演算を定義することで、Allenらの区間関係より幅広い区間属性を扱えるようにしている。この区間代数を用いて、共通時区間集約問題に対して、時区間解析アルゴリズムの効率化を図って有効性を検証した。研究成果はデータサイエンス関連の国際会議で公表した。昨年度に続いて研究成果の実社会での応用を図り、偽情報対策、施設予約への実装を行った。また、昨年度提案した、大規模の実験データを合成するための、確率的正規表現に基づくデータ生成言語DGLに関する研究成果が国際論文誌に採択された。これらの成果を踏まえて、来年度以降は、大規模時区間データの効率的アクセス方式、索引技術、集約アルゴリズムを開発し、さらに実社会の課題解決による実証検証を行い、研究成果をさらに上げていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
時制データ解析の数学基盤の確立が概ね計画通り進んでおり、解析アルゴリズムの開発も進展している。さらに実社会への展開も始めている。研究成果の整理と公表は加速する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、問題領域によって区間の表現形式や意味の違いが存在するため、提案した区間代数の更なる拡張を検討する。また、区間データ解析において、イベントの定性的な順序関係に限定する研究が圧倒的に多く、定量的な解析が少ない。このことを念頭に、さらにプライバシー保護機械学習における区間データの扱いも視野にいれて研究を展開していく。研究成果の公表や実社会の実装をさらに加速していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大のため、学会はすべてオンラインになって旅費が発生しなかった。残り予算を次年度に繰り越し、時制データ解析に関する研究をさらに深め、施設予約、接触追跡等のような、ポストコロナの経済社会の課題に取り組む予定である。
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