2020 Fiscal Year Research-status Report
量子アニーリングマシンと高性能計算機とをシームレスに連携するプログラミング基盤
Project/Area Number |
20K11838
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小松 一彦 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 准教授 (50813888)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アニーリングマシン / イジングモデル / クラスタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、量子アニーリングマシンを高性能計算機の新しいアクセラレータとして容易に利用できるプログラミング基盤の要素技術を確立するために、従来のアクセラレータを利用するためのプログラム情報やライブラリ情報を活用する。そのために、量子アニーリングマシンへのオフロードの検討と、量子アニーリングマシンのためのプログラム基盤開発、量子アニーリングマシンの量子ソルバ活用の3つの研究項目を設定し、研究を行った。 量子アニーリングマシンへのオフロード検討については、機械学習向けプログラムの分析を行い、量子アニーリングマシンへのオフロード方法の検討および性能分析を行った。具体的には、教師なし学習の1つであるクラスタリング手法に着目し、そのプログラム分析、そしてクラスタリングの処理の一部を組み合わせ問題として量子アニーリングマシンへオフロードする手法の開発を行い、量子アニーリングマシンへオフロードできる見通しを得た。 量子アニーリングマシンのためのプログラム基盤開発については、機械学習向けプログラムにおけるアクセラレータ向けのプログラム記述などの調査を行い、プログラム基盤開発の設計指針を得た。 量子アニーリングマシンの量子ソルバ活用については、他2つの検討項目とともに進め、量子ソルバを精査し活用する方法の検討を行い、プログラミング基盤開発のための指針を得ることができた。 これらの研究を通じて、来年度に量子アニーリングマシンを用いたオフロード手法の性能評価およびプログラミング基盤の設計を行うための準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は量子アニーリングマシンの活用が有効と考えられる機械学習アルゴリズムについて目処がつけられたことや、その機械学習アルゴリズムであるクラスタリング手法を組み合わせ最適化問題として扱い、量子アニーリングマシンにオフロードする手法を考案できたことにより、量子アニーリングマシンを活用することができることが明らかになったため、計画通りに研究が進捗していると考えている。また、量子アニーリングマシンのためのプログラミング基盤開発については、GPUやVE(ベクトルエンジン)などの従来のアクセラレータに使われている情報を分析し、これらを活用したプログラミング基盤の開発指針が得られたため、次年度のプログラミング基盤の開発に着手できると考えられる。 以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、本年度の研究を継続し、アニーリングマシンを高性能計算機の新しいアクセラレータとして容易に利用できるプログラミング基盤の開発を推進する。特に、量子アニーリングマシンを用いたクラスタリング手法の性能評価および分析や、GPUやVE(ベクトルエンジン)などの従来のアクセラレータに使われている情報を活用したプログラミング基盤の開発を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、予定していた国際会議への参加が困難となった。翌年度以降は、オンラインで開催される国際会議へも積極的に参加する予定である。
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Research Products
(11 results)