2022 Fiscal Year Research-status Report
量子アニーリングマシンと高性能計算機とをシームレスに連携するプログラミング基盤
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20K11838
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小松 一彦 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 准教授 (50813888)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アニーリングマシン / イジングマシン / クラスタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、量子アニーリングマシンを高性能計算機の新しいアクセラレータとして容易に利用できるプログラミング基盤の要素技術を確立するために、従来のアクセラレータを利用するためのプログラム情報やライブラリ情報を活用する。そのために、量子アニーリングマシンへのオフロードの検討と、量子アニーリングマシンのためのプログラム基盤開発、量子アニーリングマシンの量子ソルバ活用の3つの研究項目を設定し、研究を遂行している。 量子アニーリングマシンへのオフロードの検討については、これまで研究開発を行ってきたイジングモデルを用いたクラスタリング手法について、様々な量子および疑似量子アニーリングマシンを用いて、詳細な性能評価や性能分析を進めた。アニーリングマシンの一般的な評価手法は未だに明確にはなっていないが、TTS、クラスタリング精度、実行時間という3つの指標を用いて、評価分析を行った。その結果、アニーリングマシンへオフロードすることにより、精度の高いクラスタリングが実現できることが分かった。また、入力データによってはクラスタリングが難しい場合があり、様々ななデータに対応する必要があることも明らかになった。 プログラミング基盤開発および量子ソルバの活用については、イジングモデルに基づくクラスタリング手法を主としたプログラミング基盤の開発を行った。さまざまなアニーリングマシンの量子ソルバを基盤のバックエンドとして活用することで、アニーリングマシンの違いを意識することなく、利用することが可能なプログラミング基盤を開発している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、量子アニーリングマシンを活用するイジングモデルに基づく機械学習アルゴリズムの一つであるクラスタリング手法の開発を継続しつつ、アニーリングマシンのためのプログラム基盤開発を行った。そのため、計画通りに研究が進捗しており、このことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、様々なデータに対応可能なイジングモデルに基づくクラスタリング手法の開発、さらに、アニーリングマシンを高性能計算機の新しいアクセラレータとして容易に利用できるプログラミング基盤の開発を継続して開発する。これにより量子アニーリングマシンを活用するプログラム基盤に必要な要素技術を確立する。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス等の影響により研究の調査および成果発表に研究の計画が必要になったため。 次年度に研究調査および成果発表を行う予定である。
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Research Products
(6 results)