2020 Fiscal Year Research-status Report
Inverse crack identification and optimal sensor placement for mechanical structures based on normal modes of vibration
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20K11855
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
齋藤 彰 明治大学, 理工学部, 専任講師 (40581442)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 逆解析 / 損傷検出 / 最適化 / 固有振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
機械構造物は,その内部,または表面にき裂を生じることがある.き裂を発生の初期段階で検出し,対処ができれば,様々な機械・社会インフラの長寿命化につながる.このため,機械のき裂検出に対する社会的ニーズは高い. 本研究では,き裂により生じる機械構造物の固有振動数・振動形状の変化と,き裂の情報を高精度に対応付ける方法を明らかにし,定量的にき裂の位置と長さを同定する方法を構築することを目的としている.2020年度は,き裂を有する鋼板を対象に,固有振動数,および振動モード形状から,き裂の情報を結びつける解析技術の開発を行った.特に,直線状のき裂を有する鋼板を対象に,固有振動数,および振動モード形状から,き裂の位置,および長さを同定するアルゴリズムの開発を行った.その結果,解析において,固有振動数のみではなく,振動モード形状の情報も用いることで,解析を高精度化できることがわかった.また,静解析結果,または周波数応答関数を用い,任意形状のき裂の位置・形状を推定するアルゴリズムの開発を行った.き裂を有する鋼板に対してアルゴリズムを適用した結果,周波数応答関数を用いることでき裂の大まかな形状を推定できることがわかった.また,固有振動モード選択とセンサ配置方法の検討では,鋼板に生ずるき裂が直線状であると仮定し,センサから得られる固有振動モードの線型独立性を最大化する最適化アルゴリズムを試行した.その結果,センサ個数が限られている場合に,センサ配置をある程度最適化することが可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は,当初計画では,計測された固有振動モードからき裂の情報を定量的に抽出する数値解析技術においては,アルゴリズム開発は,予定通り固有振動モードからき裂の位置と長さを推定するアルゴリズムを構築することができた.また,固有振動モード選択とセンサ配置方法の検討では,アルゴリズム開発と予備実験を予定通り実施した.しかし,検討した手法でのセンサ配置方法の妥当性が検証できていないことから,アルゴリズムについては精査の必要があると考えている.このため,概ね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,固有振動モード選択とセンサ配置方法の検討に特に注力する.現状の課題は,センサ配置アルゴリズムによって配置したセンサから得られた固有振動モードに対してき裂検出アルゴリズムを実際に適用した場合に,検出精度がどのような影響を受けるかの検討が行えていないことである.このため,センサ配置方法の妥当性検証を,数値解析を用いて,優先して実施する.また,き裂の情報を定量的に抽出する数値解析技術においては,アルゴリズム検証のため,詳細な実験モード解析を実施する.
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Causes of Carryover |
当初は2020年度に得られた成果の国際会議での発表を予定していたため,旅費を計上していた.しかし,国際会議がオンライン開催となったため,旅費の支出がなくなった.このため,次年度使用額が発生した.2021年度の助成金は,実験で使用するセンサの追加購入費用,供試体,および治具の材料費での使用を計画している.
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