2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of fast machine learning methods based on combinations of different computational models
Project/Area Number |
20K11882
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 剛平 東京大学, ニューロインテリジェンス国際研究機構, 特任准教授 (90444075)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 機械学習 / 時系列データ / リザバー計算 / 高速学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までは、リザバー計算モデルの前後に異種の計算モデル・プロセスを組み合わせるという方針で、発展的な高速機械学習モデルの提案を行ってきた。
最終年度は、リザバー内部で異種の演算ユニットを組合わせることにより、新たな計算モデルを提案してその計算性能を調べた。実世界の多変量時系列データを扱うには、広い時間スケールに対応可能な計算モデルが望ましい。しかし、同種の演算ユニットのみを用いると、扱える時間スケールは限られる。そこで、時定数の異なる演算ユニットを導入したところ、モデル出力の時間スケールの範囲を拡大できることが分かった。提案モデルを用いて、マルチ時間スケール力学系から生成した時系列データの予測タスクを行ったところ、従来の同一演算ユニットを用いたモデルと比べて予測精度を向上し得ることが数値実験により分かった。訓練済みのモデルの解析から、速い変動の予測には時定数の比較的大きい演算ユニット群が、遅い変動の予測には時定数の比較的小さい演算ユニット群が、使用されていることが判明した。これは、学習計算によって、リザバー内部の演算ユニット群に適切な役割分担が生じたことを意味する。また、カオス的な振る舞いを示す時系列データの短期予測に関しても、提案手法は予測の長期化に効果的であることを例証した。
研究期間全体を通じて、時系列データの順序変更計算、データのトレンド成分と周期成分を分離するためのフィルタ処理計算、複数の段階的学習計算、転移学習に動機を得た計算、異種演算ユニットを用いる計算、などの各種計算をリザバー計算と融合することにより、時系列パターン認識に関する計算性能の向上や計算効率の改善を達成し、高速機械学習手法の発展に資する成果を得た。
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Research Products
(10 results)