2023 Fiscal Year Annual Research Report
音響計測・音響制御におけるロボティクス技術の利用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20K11895
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
大川 茂樹 千葉工業大学, 先進工学部, 教授 (40306395)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 音響工学 / ロボティクス / VR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、音響工学分野における音響計測・音場制御において、これまで専ら人間の経験的な知見や技術に基づいて行われてきた部分にロボティクス技術を適用し、自律化や効率化を行うことを目標としている。 コロナ禍の影響により研究期間を延長したため、実質的に実施4年目となった令和5年度は、まず、前年度に引き続き、音響計測ロボットのプロトタイプ開発ならびに実験室空間での稼働試験を行った。また、収集した音空間データをVR・MRにより可視化する仕組みに関する検討を行った。仮想現実(VR: Virtual Reality)技術を応用したシミュレーション手法は、開発する音響計測ロボットと相性が良く、拡張現実(AR: Augmented Reality)や複合現実(MR: Mixed Reality)などの表現手法を用いることで、実機を稼働させずに実際の音響的環境を再現し、ユーザーはヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いてその環境を体験することが可能となる。 次に、新たな指向性を持つパラメトリックスピーカを用いて、仮想音源を聴者の背後や側面に生成するシステムの評価実験を行った。室形状を得るセンサ系およびパラメトリックスピーカを駆動するアクチュエータ系を実装し、信号処理的なアルゴリズムにより高臨場感オーディオを実現する手法についての検討を行った。 最後に、当初計画にはなかった内容として、3次元の音空間データに対して画像処理と機械学習を併用したモデル化手法についての導入的検討を実施した。GAN(敵対的生成ネットワーク)と呼ばれる手法により、少数のデータを仮想的に多数に拡張してモデルの精度を高める方法について検討し、評価実験を行った。 以上の研究成果は、主として情報処理学会全国大会において発表・公表した。
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