2020 Fiscal Year Research-status Report
面接におけるノート使用のインタラクションへの影響評価
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20K11908
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 雅史 東北工業大学, 工学部, 准教授 (50390597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 里欧子 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (10418585)
古山 宣洋 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20333544)
入野 俊夫 和歌山大学, システム工学部, 教授 (20346331)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 対話 / ノート / カウンセリング / 面接 / まとめ返し / コーパス / マルチモーダル / インタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
職業場面や教育場面などで一対一の面接を実施する機会が増加している.しかし,面接の過程でどのようなインタラクションが起こっているかは,十分に解明されていない.中でも,面接中にノートを取ることは,聞き手に対する信頼感という点でインタラクションに影響を与えうるにもかかわらず,ノートの影響についての実証的な研究が十分になされていない.本研究では,インタラクションの中でも最も基礎的と考えられる二者間のインタラクションにおけるノートの効果を,話し手の発言をまとめ返す状況に着目して,実験的に確認する.研究の流れとして,(1)ノート使用の状況を実際の対話データから抽出すること,(2)抽出された状況を実験の条件として設定することを想定している.(1)の対話状況の分析について,本年度は日常会話に関するコーパスの分析と,映画映像を対象とした独自コーパスの分析とを実施した.このうち,前者に関しては,ノート使用場面に限定しないまとめ返し場面の抽出に取り組んだものの,コーパス中に十分に事例を見出すことができなかったことから,まとめ返しの特徴を既存の対話種別の分類体系と照らし合わせながら,定性的に整理する作業を行った.後者のコーパスの分析においては,人手による会話区間の切り出しと種別の判定に関する手続きを策定し,紀要論文としてまとめている.(2)の実験条件の設定については,性格特性との関連を踏まえた対面での同調実験を実施し,その結果を研究会で報告している.また,コロナ禍でのコミュニケーション実験環境に対応すべく,同実験と可能な範囲で条件をそろえた設定において,オンラインでの非対面実験のための環境を整備し,小規模な予備実験として,対面実験との比較を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分析対象のコーパスにおいて,期待していたほどのまとめ返し場面の事例が収集できなかったため,また,コロナ禍における感染症対策を考慮した非対面実験を想定して,実験計画を再考する必要があったため.
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Strategy for Future Research Activity |
分析対象のコーパスを拡大することで,まとめ返し場面をさらに抽出することを試みる.そのための候補コーパスの選定を実施している.実験の実施方法と実施内容の両面を見直し,効率的に実験を進めていく.
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Causes of Carryover |
本年度は,申請段階で予定していたグループ内の打ち合わせをすべてオンラインで実施しため,旅費を使用しなかった.また,国際会議への参加もなかったため,旅費が不要となった.新型コロナウィルスの影響により,来年度も移動に制限があることが予想されることから,申請段階で旅費として予定していた経費を,文書による対外発表に重点的に振り向ける.
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