2022 Fiscal Year Annual Research Report
面接におけるノート使用のインタラクションへの影響評価
Project/Area Number |
20K11908
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 雅史 東北工業大学, 工学部, 准教授 (50390597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 里欧子 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (10418585)
古山 宣洋 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20333544)
入野 俊夫 和歌山大学, システム工学部, 教授 (20346331)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 対話 / ノート / まとめ返し / コーパス / マルチモーダル / インタラクション / ロボット / 視線 |
Outline of Annual Research Achievements |
対話中にノートを取ることは,聞き手に対する信頼感という点でインタラクションに影響を与えうるにもかかわらず,非言語行動としてのノート取りの影響についての実証的な研究が十分になされていない.本研究では,インタラクションの中でも最も基礎的と考えられる二者間のインタラクションにおけるノートの効果に着目した.感染症対策が求められる中では対面対話の実験が困難であることを念頭に,今年度は以下の方針で研究を進めた. (1)人間の代替となるエージェントとして,動作の自由度が限定されるロボットによる行動を刺激として用い,非言語的なインタラクションが人間に与える印象の特性の把握を試みる.(2)情報の受け渡しが専門的に行われる状況として,実験環境ではなく実環境での事例を把握するために,高齢者福祉施設内における対話行動を観察し整理する.(3)オンラインで対話する中でノートを取る状況に類似する場面として,オンライン講義の受講の場面を設定し,視線行動とノート量について分析する. (1)のロボットによる非言語的なインタラクションについては,地上走行ロボットの他のロボットに対するメッセージ送信動作を設計し,メッセージ伝達の様子を第三者の視点からオンラインで観察する実験を行った.コミュニケーション研究にロボットを用いる研究は様々にあるが,ロボットが人間と直接相互作用するのではなく,ロボット同士の非言語行動を人間が解釈するという枠組みが新規なものとなっている.(2)の高齢者施設内でのコミュニケーションについては,特定の施設における対面とオンラインのコミュニケーションに,どのような経路が存在するかを整理することができた.(3)のオンライン講義受講中のノート取り行動については,注視先による講義理解度への影響は少なく,ノートの量の増加に伴って成績向上の傾向があることが分かった.
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