2020 Fiscal Year Research-status Report
スマートフォン依存改善のためのスマートフォンを「使いすぎない」意欲向上の試み
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20K11909
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
村田 和義 青山学院大学, 社会情報学部, 准教授 (60422507)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スマートフォン利用抑制 / 擬人化キャラクタ / メッセージ通知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、スマートフォンの利用者に「スマートフォンを使わずにいよう」と思わせる、すなわち利用者の「使いすぎない」意欲を向上させることにより、スマートフォン利用の抑制を試みるものである。本年度は擬人化表現の効果について検討開始した。擬人化キャラクタからのメッセージ通知によりスマートフォン利用の抑制を試みるシステム「ちあぽん」のメッセージ内容について以下の2種類を検討した。 ・応援メッセージ:スマートフォンの使い過ぎに対し、使用抑制を応援するようなポジティブな内容を含むメッセージを利用者に通知する。 ・煽りメッセージ:スマートフォンの使い過ぎに対し、利用者を煽るようなネガティブな内容を含むメッセージを利用者に通知する。 これら2種類に該当するメッセージの検討およびキャラクタの外見の検討、また利用状況の取得とメッセージ通知の仕組み、およびデータ保存の仕組みの再設計を試みた。それらをもとに実験用システムを新規に実装した。また実装した事件用システムを用いた予備実験を実施した。実験の結果、メッセージの違いによるスマートフォン使用抑制に対する効果は利用者により異なっていたことから、通知メッセージの内容の再検討、および利用者とメッセージの組み合わせなど実験条件の再検討の必要性を確認した。 また次年度に予定している競争の枠組みの効果について検討開始した。競争の枠組みとして利用予定のself-competition、other-competition、normalizingの仕様および実装方法を検討した。現在のところ、関連研究で利用されている視覚的な効果ではなく、メッセージ通知の範囲内での効果について取り上げる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前学期機関中(4~8月)、新型コロナウィルス感染症対策の影響により大学構内に立ち入ることが困難となったため、研究室に設置された機器の活用が難しく、実験システムの開発に支障があった。また同様に、実験参加者の募集および実験の実施が困難な状況であった。 後学期(9月以降)になり、大学構内への入構規制が緩和されたため、急ぎシステム開発と実験計画を実施したものの、予備実験の実施にとどまっている状況である。よって、本年度の進捗状況は「やや遅れている」とする。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では、実験システム開発と評価を本年度と来年度で完了し、最終年度を「成果発表と公開」にあてることとしていた。そこで本年度の計画のうち実施できなかった部分については次年度の前半に延期し、それに合わせて次年度以降の計画も順次延期する。次年度の計画の一部を最終年度の前半に実施することとなるが、これは最終年度に当初予定した「成果発表と公開」と同時並行での実施が可能であると判断する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症対策のため所属大学への入構が規制されたことにより実施計画に遅れが生じ、システム開発や実験実施にかかる経費、および対外発表にかかる旅費が未使用となった。遅れの生じた計画については次年度以降に順次実施予定であり、システム開発、実験実施、対外発表にかかる経費も使用予定である。
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