2020 Fiscal Year Research-status Report
多指操作を向上させるバイオフィードバックによる高精度極安定力覚提示に関する研究
Project/Area Number |
20K11916
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤羽 克仁 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (70500007)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヒューマンインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,VR世界における両手操作を実現するストリング駆動型力覚提示において,操作者の情報を利用した高精度かつ極安定なシステムを構築し,ヒトの巧緻な両手操作環境の構築である.本研究では,ユーザの内部情報をバイオフィードバックとして,力覚提示の制御にフィードバックすることによりこれまでにない安定性と忠実性の両立を目指すものである.この目的を実現するため,今年度は以下の研究を行なった.まず,両手操作として対象とするヒトの可動域や操作領域の設定を行なった.両手操作には様々な操作が考えられるが,まず初めに基本となる物体の把持操作の実現に焦点を当てた.また,把持操作に必要な提示力の設定を行なった.ストリング型力覚提示装置ではストリングとアクチュエータ及びエンドエフェクタの関係が操作域に影響を与えるが,これらを考慮することで,適切な力覚提示装置の実現が可能になると考える.その上で,両手操作で必要となるエンドエフェクタの設計を行なった.対象とするストリング駆動型力覚提示装置は,インピーダンス型の力覚提示装置により実現されるが,この時エンドエフェクタの質量や粘性が大きいと力覚の提示能力が大幅に低減されてしまう.そこで,小型軽量なエンドエフェクタの実現が重要となる.操作の自由度を考慮した軽量なエンドエフェクタの設計を行なった.設計を効率的に行うために,従来の試行錯誤による設計を見直し,操作性や力覚提示領域に関する計算機シミュレーションによる設計を効果的に利用し,設計効率を高めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた両手操作として対象とするヒトの可動域や操作領域の設定を行なった.両手操作には様々な操作が考えられるが,まず初めに基本となる物体の把持操作の実現に焦点を当てた.基本的な把持操作を元に今後の研究が順調に進展可能であると考える.また,両手操作で必要となるエンドエフェクタの設計を行なった.小型軽量なエンドエフェクタの実現が重要となるが,操作の自由度を考慮した軽量なエンドエフェクタの設計を行ない,順調に進展している.設計を効率的に行うために,従来の試行錯誤による設計を見直し,操作性や力覚提示領域に関する計算機シミュレーションによる設計を効果的に利用した.以上のことから順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究実績の基づき両手操作環境の構築に必要なシステムの設計及び開発を行う.高精度なストリング駆動型力覚提示装置を実現するために,既存のコントローラでは実現できない高い更新周波数を実現する専用のコントローラの開発や制御手法の設計及び開発を行う予定である.両手操作時に得られる操作者の内部状態を計測するためのエンドエフェクタの設計及び開発を行う予定である.操作者は装置を把持し操作する.把持の状況により操作者と装置の結合度が常に変化する.つまり,インピーダンスは把持力により常に変化すると考えられる.そこで,計測した内部状態を基に推定されるシステムの安定性と忠実性の関係をリアルタイムに計算し,制御量の最適値,もしくは許容される範囲を導出し力覚提示における把持力と制御の関係を求める予定である.
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Research Products
(3 results)