2021 Fiscal Year Research-status Report
カーネルベイズ推論に基づく時系列アルゴリズムの開発と展開
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20K11933
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
西山 悠 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (60586395)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 状態空間モデル / スムージング / ノンパラメトリック / カーネル法 / カーネル平均 / カーネルベイズ / コーシーノイズモデル / Stochastic Volatility |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】状態空間モデルによる時系列モデリングでは,フィルタリングアルゴリズムと平滑化アルゴリズムの開発が重要である.離散時間時不変状態空間モデルの設定として,観測過程の条件付き確率をカーネル平均埋め込み手法でノンパラメトリックに推定し,状態遷移過程の条件付き確率をパラメトリックモデルに推定する状況を考える.このとき,model-based kernel Bayes’ filter (Mb-KBF)が提案されている. 【問題点とそれに対する提案法】 1.Mb-KBFに対応する平滑化アルゴリズムmodel-based kernel Bayes’ smoother (Mb-KBS)は未開発であった.そこでMb-KBSアルゴリズムを開発し,Stochastic Volatility モデルの場合に有効性を検証した.関連手法 (Mb-KBF, nonparametric kernel Bayes smoothing)と比較して隠れ状態の推定精度 (RMSE)が高くなる結果を得た.本アルゴリズムは4つの超パラメータのチューニングを必要とするが,超パラメータを変化させたときのアルゴリズムの振る舞いの詳細な検証を行い,また直観的に分かりやすい可視化を行った. 2.状態遷移過程時に大きな外れ値ノイズが発生する場合,加法的ガウスノイズモデルを用いた学習より,加法的コーシーノイズモデルを用いた学習が有効と考えられる.しかしそのアルゴリズムは未開発であった.そこで状態遷移過程時に大きな外れ値ノイズが発生する状況に対応するため,加法的コーシーノイズモデルとコーシーカーネルの共役性を組み合わせたMb-KBFを開発した.またコーシーカーネルのときに点推定アルゴリズムを開発した.数値実験の結果,提案手法は加法的ガウスノイズモデルを用いた学習より,隠れ状態の推定精度 (RMSE)が高くなる結果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の予想外の仕事の増加,2つの新規講義科目の担当準備,学生の教育研究指導の増加などによる.私生活でも共働き子育てを始め,父親死去による実家の遺品整理・不動産処理等のライフイベントに関わる諸々の雑務増加が重なった.
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Strategy for Future Research Activity |
上記の研究実績の概要を踏まえ,以下の研究を検討していく. ・Stochastic Volatility モデル以外のMb-KBSアルゴリズムの検証. ・コーシーカーネルやMaternカーネルを用いたMb-KBFアルゴリズムの数値実験の検証. ・Human motion modelingなどの実データへの応用. ・Mb-KBFとMb-KBSに基づくEMアルゴリズムの構築.
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